パッケージの内容物は、本体の他に、ACアダプタとクロスケーブル、それに簡易な取扱説明書。ドライバを必要としないデバイスなので、構成は非常にシンプルだ。

内容物一覧。簡素で無駄がない構成といえる

ACアダプタは、本体のサイズとマッチする小型のもので、携行の際も邪魔になるサイズではない。だが、モバイルでの運用を考慮するなら、できればUSB給電を可能にしてほしかったところである。

クロスケーブルは、本体とPCなどの機器をつなぐ際に利用する。特殊なケーブルではないので、付属のものでなくとも、市販のイーサネット用クロスケーブルを利用しても構わないだろう。PC側のイーサネットポートが極性を自動で判別できるタイプなら、ストレートケーブルでも接続が可能な場合がある。

W-SIMに関しては、初代の「RX410IN」(俗に言う"耳"の部分が灰色)だけでなく、W-OAM対応の「RX420AL」「RX420IN」("耳"が赤あるいは青)も利用可能である。ただし、機器の限界として、64kbps以上の速度は出せないため、せっかくのW-OAM対応も高速化にはほとんど意味がない。この点に関しては、購入前によく理解しておく必要があるだろう。

実際に繋いでみる

セットアップの手順も簡単だが、まずは取扱説明書をよく読んでその手順に従おう。

はじめに、W-SIMを挿入しない状態で電源を入れ、セットアップモードで起動する必要がある。この状態で起動すると、「つないでイーサ」はDHCPサーバーの稼動している簡易なWebサーバーとなっている。説明書にあるように、PC側はIPアドレスを自動取得する設定にした上で、付属のクロスケーブルで接続しよう。

ブラウザを立ち上げて説明書にあるアドレスを指定すると、下図のような設定画面が表示されるはずだ。最低限、ダイヤルアップに利用するプロバイダの電話番号とユーザー名、パスワードを設定しておこう。これらの情報がないと、「つないでイーサ」は何の役にも立たない。

ブラウザで設定画面へアクセスしたところ。最初に設定すれば、後はほとんど変更することはないだろう

なお、工場出荷時は「PRIN」(ウィルコムが提供するPHSインターネット接続サービス)が設定されているが、それ以外のプロバイダを設定しても動作に支障はない。PRINは接続時間に対する従量課金(上限金額あり)で料金を請求されるので、AIR-EDGE対応のプロバイダ契約が既にあるなら、そちらを設定しておくといいだろう。

つないでイーサのアクセスランプの状態。上が電波強度、真ん中が回線の接続状況、下が電源ランプである

設定が終わったら、電源を落としてからW-SIMを挿入する。このW-SIMの抜き際の際には、必ず電源を落としてから行うようにしよう。W-SIMを挿入後に電源を入れると、電源ランプが点灯する。この状態でもう一度、軽く電源ボタンを押すことで、ダイヤルアップが実行される仕組みとなっている。

ダイヤルアップの前にクロスケーブルでPCに繋いでいても良いし、後で繋いでも良いが、ダイヤルアップ接続が確立されると真ん中のランプが点灯し、PC側にIPアドレスが割り振られる。これでインターネットへ出て行くことが可能となるわけだ。

ダイヤルアップ接続を切断する際は、先の電源ボタンを長押ししよう。切断されると真ん中のボタンが消灯し、接続終了となる。

注意しなければならないのは、「つないでイーサ」で機器をインターネットに繋げる場合、間には防護壁になるものが一切存在しないということである。PCを繋ぐ場合、PC側にファイアウォールのソフトなどが導入されていればともかく、そうでない場合は直接、外部からの攻撃に晒されることになる。最新のセキュリティパッチが導入されていないPCを、この方法でインターネットへ繋げることには危険が伴うことを、しっかりと認識しておいてほしい。