ウィルコムが小型通信モジュール「W-SIM」に対応したSIM STYLEジャケットの提供を開始してから、早2年近くが経過している。その間、大ヒットとなった「W-ZERO3」「W-ZERO3 [es]」、そして「nico.」や「9(nine)」といった製品が発売されており、社会的認知も徐々に進んできている。しかし、ウィルコム以外からは、こうした「W-SIMを活用するジャケットやガジェット」が一般ユーザー向けの商品として発表されることはなかった。

しかし、ついにウィルコム以外から発表された事実上初の「W-SIM活用ガジェット」が、本稿で紹介する「つないでイーサ」である。"オヤジギャグ"風の商品名は少々好き嫌いの分かれるところではあるが、その中身はなかなか個性的で、かつ、特徴的なガジェットである。

非常にシンプルな「つないでイーサ」の外見。余計なものは何も付いていない

つないでイーサとは?

「つないでイーサ」とは、W-SIMに対応したダイヤルアップ型のネットワークアダプタ、である。こう紹介してもよく分からない方も多いだろう。もう少し具体的に説明すると、「PCに代わってプロバイダへのダイヤルアップを行ってくれるアダプタで、イーサネットケーブルで接続された機器をインターネットへと繋げることができる」というものだ。つまり、PCはもとより、PC以外の機器(ゲーム機やHDDレコーダーなど)からも、W-SIMを使ったダイヤルアップ接続が利用できるアダプタである、と理解しておけば、ほぼ正解である。また、詳細は後述するが、決してダイヤルアップ「ルーター」ではない。何気なく混同してしまいがちであるが、注意して欲しい。

近年は、PC以外の機器であっても、インターネット経由でファームウェアの配布が行われたりと、何かと「ネットとの親和性」が問われるご時勢である。そうした機器をインターネットへ繋ぐための選択肢のひとつとしては、非常にフットワークの軽い、悪くない選択肢となるかもしれない。

極めて普通に見えるパッケージの外観。マニアックな雰囲気は感じられない

販売元はウルトラエックスのアジア・パシフィック部門であるが、古参のAT互換機ファンには懐かしい会社かもしれない。かつてはAT互換機の「互換機検証用ツール」の開発・供給元でもあった会社である。

なお、本体の価格は14,800円。モバイルグッズを扱う各種の通販サイトや、ヨドバシカメラ各店で取り扱われている。

型番 OSX-1
サイズ 約27mm×102mm×63mm(W×H×D)
重量 約90g(本体のみ)
電源 DC3.3V / 最大1.5A
消費電力 最大5W
スロット W-SIMスロット×1
ポート Ethernetポート×1 (10/100Base-TX)