S50c最大の特徴は無線LANによるワイヤレス機能を搭載していること。無線LANの規格としてはIEEE802.11bと802.11gに対応しているので、理論値では最大54Mbpsでの転送が可能だ。BBモバイルポイント(ソフトバンクテレコム)、HOTSPOT(NTTコミュニケーションズ)などの公衆無線LANアクセスポイントや自宅の無線LANなどを利用することができる。なお、S50c にはBBモバイルポイントの1年間無料で接続(初回接続から最終使用期限2008年9月末まで)できるネットワーク設定があらかじめ組み込まれているため接続は簡単だ。この無線LAN機能を使ってニコンのサーバーと通信を行い、撮影したデータを保存したり、友人などにメールで送ることができる。ただ、自宅の無線LANを使用していても、自分のパソコンにデータを保存することはできない。
無線LANで利用できるのは、メールの宛先を指定して写真データを送る「ピクチャーメール」と、画像を一時的に保存する「ピクチャーバンク」、撮影した写真を公開できる「オンラインアルバム」の3種類だ。ただし、メールで画像データを送信する場合でも、ニコンのサーバー上に画像は保存され、メール受信者には写真データのアップロードされているURLが通知される形となる。
便利なのがニコンのサーバーに画像を保存する「ピクチャーバンク」だ。送る画像は全画像の中から選ぶか、日付ごとに一括選択もできる。たとえば出先からサーバーに画像を送り、カメラ側は画像を全削除すれば、翌日は残りメモリ容量を気にせずに撮影できる。
BBモバイルポイント以外の無線LANを使うにはいくつかの設定が必要になる。しかし設定項目は、SSIDや認証方式、暗号化など、初心者には難しいかもしれない。この点は、無線LAN固有の複雑な設定を簡単に行える方式の採用を望みたい。現状で設定を簡単にしたいなら、USBでカメラとパソコンを接続すれば、パソコン側で設定が可能になる付属のソフト「COOLPIX CONNECT UTILITY」を使うといいだろう。
カメラ内での無線LANの設定は「セットアップ」-「ワイヤレス設定」から行う |
こちらは「COOLPIX CONNECT UTILITY」の画面。長いESSIDなどを入力するのもパソコンならそれほど面倒でない |