現在、コンパクトデジタルカメラといえば薄型モデルが完全に主流になった。S50cもこのジャンルに相当する。S50cの概要を簡単にまとめると、720万画素のCCD、レンズがボディから飛び出さない屈曲工学系を採用した35mm判換算38~114mm相当の光学3倍ズーム、光学式手ブレ補正機構、顔認識機能、大型の3型液晶モニターといったところだ。無線LANを別にしても、最近のトレンドはすべて装備していることになる。
外観は従来モデルが踏襲されており、COOLPIX S5以降に搭載されていた「ロータリーマルチセレクター」も背面に備えている。これは十字キーも兼ねているため、たとえばメニュー操作なら上下左右を押しても使えるが、回転させるほうが操作は早い。
ただし画像再生の場合、1枚表示モードから「ロータリーマルチセレクター」を回転させると「サムネイルロータリー表示モード」に切り替わるのだが、このモードは右側に回転するアニメーションが表示され、それが止まってから左に画像が表示されるため遅く感じる。いったんズームボタンを押して「サムネイル表示モード」にすればアニメーションは無くなり、動作ははるかに軽快になるので最初からこの状態で「ロータリーマルチセレクター」が使えるとなお良いだろう。
液晶モニターは現状では最大クラスの3型。S50cは「リアルワイドアングル液晶モニター」が使われており、晴天の屋外などでも液晶は見やすく、撮影に困ることはなかった。また、最近増えている3型液晶搭載モデルではボディを小さくするあまりに指の置き場に困るものもあるが、S50cは右に操作スペースがあり、それほど違和感はなかった。
最近のコンパクトカメラでのキーワードといえば、「手ぶれ補正」と「顔認識」で、どのメーカーでも搭載機種が増えてきている。S50cの手ぶれ補正機能は自然な効き。液晶モニターを見ていても動作しているという感じはしないのだが、撮影した画像を見ると手ぶれによる失敗が減っていうという印象を受ける。見た目のインパクトはないが、確実に失敗カットは減っている。
顔認識機能の認識速度はそれほど速くないようだ。「顔認識機能」をオンにすると画面上に顔のマークが大きく表示され、その後アニメーションするのだが、この待ち時間が長く感じる。実際には裏で顔認識のための準備をしているのかもしれないが、アニメーションで待たされるようにも感じる。また、顔の向きが変わったり、サングラスをかけていても顔と認識しなくなるようだが、ポスターはあえて顔と判断していないのかもしれない。