D903iTVはワンセグ機能をメインに押し出した「903iTVシリーズ」の中でも、最もスリムでコンパクトなモデルである。そのため、視聴用のロッドアンテナは内蔵していない。そこで、視聴する場合にはイヤホンマイク端子に付属のアンテナかワンセグアンテナ機能付イヤホン変換アダプタを取り付ける形式を採用している。
アンテナを取り付けるとワンセグ機能が起動するようになっているが、必ず必要というわけではなく、電波の強い場所、例えば、屋外などでは外部アンテナをつけなくても視聴することができる。しかし、やはり受信感度は低下するため、気軽にアンテナを持ち歩けるように、ストラップ取付口につけられるアンテナ専用のケースも付属している。
ワンセグ視聴時の横向き表示。この状態ではチャンネルと音量程度しか操作できない。設定変更する場合には縦画面にする必要がある。また、各種情報(ピクト)表示は消すこともできる |
同梱されるワンセグアンテナ。上はケース。一番下はワンセグアンテナ内蔵イヤホンジャック変換アダプタ。なくさないようにしたい |
外出時のワンセグ視聴シーンでは、ひとりでイヤホンを使って音声を聞くことが多いはずなのだが、「ワンセグアンテナ内蔵イヤホンアダプタ」用のケースが無いため、紛失しやすい点に注意が必要だ。紛失した場合はオプション品を購入することになるのだが、標準付属品の場合、近くのショップでは取り寄せになるパターンが多く、入手するまでワンセグ視聴ができないといった状況に陥ることになる。注意したい。
なお、イヤホンアダプタ使用時には音声はイヤホンからのみ出力されるが、スライドを開いて、縦位置表示にし、「Menu」→「画面/音声」→「音声出力先設定」で「スピーカー」にすれば本体スピーカーから音声出力することも可能だ。
さて、肝心のワンセグ視聴時の画面だが、ワンセグとしては充分な映像を得られる。色味も標準的な発色といえよう。なお、画面照明(光量)は「ブライトモード」「ノーマルモード」「エコノミーモード」の三種から選択できる。
縦位置状態ではデータ放送も同時に表示される。横位置状態ではアイコン等の状態表示を消すこともできるので、純粋に映像を楽しむことができるが、スピーカーが上下位置になってしまうので、ステレオ放送の場合はイヤホンを接続する方がいいだろう。
ワンセグの連続視聴に関しては、仕様に記載されていないが、メーカーサイトのFAQによれば、「画面:横表示」「画面照明設定:ノーマルモード」「音量:Vol.22」「音量出力先:イヤホン」の設定で、「約3時間40分連続して見る」ことができるとなっている。現時点のワンセグ携帯としては、短いわけではないが決して長いとはいえないので、電池切れには注意してほしい。
録画機能はワンタッチ録画機能しかなく、予約録画することはできない。代わりに番組表から「視聴予約」することで、見たい番組の時刻になるとアラームを鳴らすことができる。また、録画は内蔵のメモリに限られ、microSDカードに保存することはできない。そのため、単体で深夜番組を録画して、通勤中に見るといった使い方はできない。