次のセッションは、オートデスクによる『BIM 360導入による業務効率化の実現〜施工段階でのクラウド活用とトプコン社との最新統合ソリューションのご紹介〜』と題された講演だ。
オートデスクのチャネルセールス マネージャー・松延陽氏が登壇し、国交省のBIM戦略の概略を紹介した。現在の建築BIMの活用状況に関して、大手ゼネコン等においてBIMは相当程度活用されているのに対し、中小建設会社ではほとんど使われていないということだ。また、BIMは設計、施工の各分野で個別に活用するにとどまっており、BIMの特徴である「データの一貫性」が確保できておらず、維持・管理段階まで一貫したBIM利用につながっていないという。とくに中小事業社にとっての課題として、BIMの導入・運用には多額の設備投資が必要であるうえに、習熟した人材が不足している課題があるという。そこで、官民が一体となってBIMの推進を図るため、建築BIM推進会議(仮称)が国交省内に構築されたということだ。
また、海外での調査結果によると、建設ソリューションにおける課題として、現場と設計データの不整合が手戻りの原因となるケースが55%と、過半数を占めていることを紹介。やはり一貫性をもって問題点の見える化や、迅速な共有が重要視されているという。
オートデスクは2012年からトプコンと業務提携をしており、この3年ほどの間にRevitのデータを墨出しに使って施工で成果をあげている企業が増えてきたことを明かした。3Dデータを現場と設計でいかに不整合なく管理するか、今後さらにトプコンと連携しながら取り組んでいくと意気込みを語った。また、今年3月にオートデスクとトプコンは戦略的パートナーシップ契約を締結し、システム導入支援やトレーニング、あるいは購入特典としてユーザーイベントやオリジナルテキスト提供などを考えているとのことだ。
さらに、両社の提供価値を統合した建設ソリューションを提供する考えを明かし、全体的な生産性を高めるためにはクラウドの活用が必須であることから、オートデスクが力を入れている「BIM 360」にデータを蓄積しながら、広範囲なあらゆる業務での生産性改革ならびに働き方改革を実現したいと述べた。