打ち上げ見学を楽しもう!
ロケットの打ち上げ見学は、観光のコンテンツとして非常に魅力的である。だが今回のように延期も多く、せっかく行ったのに見ることができなかった、というケースも普通にあるだろう。しかし、打ち上げの見学には、その苦労に見合うだけの価値がある。初めて生で見たら感動するのは間違いないので、ぜひまた挑戦して欲しい。
種子島の場合などでは、筆者はよく「3日間は延期になっても大丈夫なようにスケジュールに余裕を持たせて欲しい」とアドバイスしている。筆者の経験上、3日間の延期までカバーできれば、打ち上げを見られる可能性はかなり上がるからだ(それでも空振りすることはあるのだが……)。
しかし、カイロスの打ち上げであれば、今回筆者がやったように、一度撤退してからまた来るということもやりやすい。アクセスがやや不便とはいえ、特に大阪や名古屋からは距離的に近く、打ち上げ時刻によっては日帰りも可能かもしれない。そういう点は、これまでにない大きなメリットと言える。
一方、南紀エリアには、熊野古道など、有名な観光スポットがたくさんある。今回、筆者はあまり行く時間が無かったのだが、打ち上げが延期になったとしても、遊びに行く先には困らないだろう。
そして打ち上げ見学において、筆者がアドバイスするもう1つのことは、「肉眼で見た方が良い」ということだ。せっかく現場まで行ったのに、カメラのファインダー越しでしか見ないというのはもったいない。撮影する場合には動画や連写などにしておいて、映像では決して再現できない眩しさをぜひその目で体感して欲しい。
ところで、今回は最初ということでスタンダードに公式見学場で見たのだが、ロケットは案外、遠くからでも見えるし、遠距離ならではの楽しさもある。カイロスが本当に年間何10機も打ち上がるようになれば、いろんなバリエーションで楽しむのも良いかもしれない。
じつは筆者が計画の1つとして検討したのは、電車の車内から見るということであった。カイロスは射点からわずか1kmちょっとのところを線路が通っているので、ちょうど良いタイミングで走っている便があれば、近くから見られるかもしれないと思ったのだ。
さすがにドンピシャの便は無かったものの、特急くろしお1号が串本駅に11:06着だったので、やや遠いものの、打ち上げが成功していれば、車窓から綺麗に見えたかもしれない。もちろん、打ち上げ時刻が変更になったら計画が狂うリスクはあるのだが、船や飛行機など、ちょっと変わったところから狙うのも面白そうだ。