人財育成のための新たな取り組み
リコージャパンが力を注いでいるのが、デジタル人材の育成だ。
すでに、プロフェッショナル認定制度をスタートしており、人事制度と連携しながら、この仕組みを報奨にも反映させるという。
「社員のスキルを可視化し、自己成長につなげることを目的にした制度であり、プロレベルを1~8まで設定している。これまでは、職位をあげるにはマネージャーになる必要があったが、新制度により、高度スペシャリストに向けたもうひとつの道筋を用意し、スキルに応じた資格や処遇を行っていく。自律的な成長を促進していきたい」とした。
2022年度からは、毎週水曜日午前中を利用して学習を行う「全社アップデートデー」を開始。1万9000人の全社員が、共通のテーマを計画的に学習するものとして、5月と6月は、セキュリティをテーマに実施。「コンテンツのなかから、個人のレベルにあわせて学習し、すぐにお客様のところで実践する仕組みとした。6月は、セキュリティソリューションの実績が前年比20%増になった」という。
さらに、領域別スペシャリストの育成にも取り組む。
「オフィス(インフラ)」、「情報・コミュニケーションインフラ」、「アプリケーション」、「セキュリティ」、「ITインフラ・マネージド」の5つの領域で高度な知識を有する人材を育成。「これまでは商品教育を中心にしてきたが、カテゴリースペシャリストの育成に軸足を変え、お客様へのお役立ち領域を拡大していく。課題や困りごとをきちっと理解し、課題を解決するだけでなく、課題を発掘する力を高め、ソリューションを提供したあとの活用サポート力を高める。これにより、次の課題発掘にもつなげることができる」とした。
木村社長は、「社員がいきいきと誇りを持って働き、お客様から感謝される顧客価値企業の実現を目指す」とし、具体的な方向性として、「自律型人財の育成およびプロフェッショナル人財の拡充」、「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性を尊重)」、「事業とSDGsの同軸化による社会・地域への貢献」の3点をあげた。
「多様性は組織や人を強くする。女性やシニアの活躍にも取り組み、制度および仕組みで補完する。また、SDGsキーパーソン制度を開始し、認定者を全国に配置。リコーグループのSDGsの取り組みを紹介している。リコーグループの三愛精神は、SDGsそのものである。SDGsにはこだわった展開したい」とも述べた。