最後のテーマに関してまず県立加納高校の福野衣里子氏が、「わくわく感のある授業」とはなにかの説明に先立ち、自身の生徒たちについて「これから生きていくのは、不確実性が高まっていく社会です」とした上で、「スマートに生きていける好奇心を持ち、自ら学ぶ生徒を育てたい」との意向を語る。

  • 加納高校 福野衣里子氏

「授業とは考えることの材料を集めて、土台を作る場所」だという福野氏は、「未知のものへのわくわく感」が必要だという。そこで、自由度、難易度、協働性の3点に注目して授業を実践し、アンケートを取り考察したとのことだ。

自由度とは、過程に生徒の選択の余地があることを指す。これにはICT活用が効果的だったと福田氏は振り返る。

  • わくわく感のある授業に必要な要素

難易度は、生徒側の習熟度や学校の特色などに合わせて適切に設定する必要があるとのこと。協働性については知識的協働と発想的協働があり、これは協働相手に何を求めるかで変わるという。

福野氏は、好奇心を持って自ら学ぶ人間を育てるためには、わくわく感から来る「もっと知りたい」という気持ちを拾い上げることが重要だと説き、課題を自分自身で選ぶ主体的な行動が重要なステップだと指摘する。

今後について、福野氏は「生徒自身がハードルの高さを選べることが、まずは理想的」と述べ、「協働相手に生徒が異なる感性の人を大事にしていければ、今後多様化が進む社会でスマートに生きていく人間になれるのではないでしょうか」という。

「その手助けになるような授業を今後も考えていきたい」と意欲を示して、福野氏は自らの発表を結んだ。

  • 今後の展望