Teamsによる協働と共同研究に関しては、まず県立東濃実業高校の海老千鶴氏から説明があった。
海老氏のチームは、日常の相談・提案・実践報告などの教員による協働をすべてTeams上で行ったという。メンバーは県内の高校教員とMSおよび慶大SFC研究所のサポーターとのことだ。
研究テーマのミーティングを通じて、お互いが刺激を受けていることに気づいたという。そして、「Teamsで日々の実践や困りごとを持ち寄って、みんなで交流、実践してみよう」(海老氏)との動きにつながった。
具体的な研究内容は県立東濃フロンティア高校の岩川光一朗氏が、実践産生装置およびアイディア孵化器の2つの効果を中心に説明した。
共同研究期間中のTeams上での会議と投稿が、実践産生装置として働いたと岩川氏は語る。
まずは、会話の可視化分析を実施した。
さらに、マインドマップソフトでチームの半年分の投稿をすべて分析したとのこと。その結果を受けて特徴的なスレッドに注目し、タグ付けした。また、他のチームのメンバーからの提案もあったという。
岩川氏は、「アイディアやアクションが並列的に進んでいき、アイディアの結実のスピードが非常に速い。誰でもこのTeamsによる研修によってクリエイティブになる。こういった機能を持ったTeamsの活動です」と分析する。
「Teamsではアウトプットによるアイディア孵化器としての効果が大きい」とする岩川氏は、「Teamsの場でのアクションは、自己受容を強めるメンタルヘルスの向上に関係がある効果も示されました」と、自身の発表をまとめた。
最後に海老氏が、「Teams×協働では、アイディアの発生・共有や参加者の意識の変化が相互に発展的に起き、同時多発的な協働ができました」と成果を挙げた上で、研究会のメンバーである教員たちやMSおよびSFC研究所のサポートメンバーへの感謝を示し、発表を締めくくった。