米オラクル プロダクトマネジメント担当バイスプレジテンドのヴィナイ・クマ―氏は、同社が提唱する第2世代のクラウドについて語った。

  • 米オラクル プロダクトマネジメント担当バイスプレジテンドのヴィナイ・クマ―氏

「10年前にクラウドが登場した時のメリットは、6カ月も待たずに稼働させることができるなど、すぐにシステムを構築できることだった。これはスタートアップ企業や新たなビジネスへの対応には最適だったが、セキュリティが不十分であり、エンタープライズには適していないことがわかった。そこでオラクルは、新たな世代のクラウドとして、エンタープライズのために、完全で妥協のないクラウドを構築することを目指した。Oracle Cloudは、過去90日間で1万4000もの新たな機能を提供し、顧客はこれらをすぐに利用することができる。また、既存のアプリを最新のクラウド環境へと移行するサービスも提供でき、企業のリフト&シフトを支援し、新たなクウラドネイティブ環境を実現できる」

  • オラクルのクラウドは企業のニーズを満たすために作られた

また、クマ―氏は注目を集めている国内のデータセンターについても説明した。

「4年半前からリージョンという考え方を採用し、2018年末には4つのリージョンがあり、それぞれのリージョンには3つのデータセンターがある。それらをアベイラビリティドメインと呼び、それぞれは数1000Km離れており、アベイラビリティドメイン同士の遅延は1msである。専用回線を使って、オンプレミスのデータセンターとオラクルのリージョンとつなげることもできる」

東京データセンターでは5月8日からサービスを提供しているが、既に500社以上が利用しているという。「これまでのデータセンターに比べて3倍の成長を遂げており、東京データセンターに対するデマンドが強いことを裏付けている」とクマー氏。今後15カ月にわたって、毎月1リージョンずつ増やしていき、これらのリージョンでは最低でも2つのデータセンターの構成としてディザスタリカバリにも対応し、エンタープライズに求められる環境にしていくという。

また、クマー氏はコンピュートの特徴として「高速で拡張性を持ったベアメタル、仮想マシン、GPUを提供していること」、ストレージの特徴として「さまざまなワークロードに対して、一貫して高速な性能を実現していること」、ネットワークの特徴として「オンプレミスと同等のネットワークの柔軟性と管理性を実現していること」、セキュリティの特徴として「コアからエッジまでの強力な分離と制御を実現していること」を挙げた。コンプライアンスに関しては、すべてのリーションにおいてさまざまな規制やルールに対応していることを示し、「オラクルは業界で初めてクラウドクラスタネットワークを提供し、1.5μsという超低レイテンシと高帯域を実現している」と語った。

  • Oracle Cloudで提供されるコンピュート

  • 超低レイテンシーと高帯域を実現しているOracle Cloud Cluster Networking

さらに、データベースに関しては、包括的で、回復力を持ち、高性能なサービスを提供していることを強調したほか、「今後、重要なのはAutonomous Databaseによって、完全な自動化をデータベースのライフサイクル全体に適用することである」と述べた。

  • オラクルがプッシュしているAutonomous Database

そのほか、Oracle Cloudにおけるマイクロソフトとの提携についても言及した。「多くの企業が複数のクラウドを活用している環境にある。マイクロソフトとの連携により、Oracle CloudとMicrosoft Azureをダイレクトで接続する。これにより、シングルログインに対応した、低遅延でシームレスな連携を実現している。現在、この機能は北米だけで利用できるが、グローバルにも展開していく」(クマー氏)

  • 北米では、Oracle CloudとMicrosoft Azureをダイレクトで接続するサービスを提供中