"2025年までに、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、ニューデイズは、全ての取扱商品(推計1,000億個/年)に電子タグを貼付け、商品の個品管理を実現する"――。
これは、経済産業省が公表した「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」の一部だ。電波によって非接触で個体を識別する「電子タグ」を活用し、店舗における消費・賞味期限チェックの効率化や、レジの自動化による業務の省力化、そして、メーカーから卸売、コンビニまでのサプライチェーンにおける商品情報の一元管理を実現すべく、2017年4月18日に策定された。
現代の日本で生活する私たちにとって、コンビニは非常に身近な存在だ。いつ、どこの店舗へ行っても充実した品揃えがあるうえに、店舗スタッフによる24時間の対応をあたりまえのように感じている人も多いのではないだろうか。
この"あたりまえ"は、商品を製造するメーカーや配送、店舗など多くの労働力によって支えられているわけだが、小売りを含む多くの業界は現在、労働力不足や労務コスト上昇といった問題に直面している。また、サプライチェーン全体を見ると、大量生産・多頻度配送が食品ロスや現場スタッフの負担増加といった課題を生み出しているのだという。
そこで、経済産業省は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、大日本印刷(DNP)とともに、食品・日用品などのメーカー、卸売、物流センター、コンビニ事業者と連携し、「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」に基づいたサプライチェーンの情報共有システムの実証試験を2014年2月14日から開始した。電子タグを活用することで、労働力不足や食品ロスといった社会課題の解決を目指すのである。