未知なるものに備える

プロジェクトは、「共通かつルーチンなものにする」という前提で始まりますが、多くの場合、一段と複雑なものになってしまいます。Muc-Offのエンジニアも、性能潤滑剤を最適化するための計測用フィクスチャ開発時、まさにこのことを体験しました。開発チームは、さまざまなスプロケット、チェーンタイプ、ギヤ比、予想パワー、スピードに合わせてリグを調整する必要がありました。リグの初期イテレーションでは、データの取得と制御に機能が固定された計測デバイスを使用しましたが、このシステムはデータを最新の状態に維持することが難しく、厳しいスケジュール内で仕事を進めていくために必要なカスタマイズ性と、ハードウェアの多様性がありませんでした。

このような問題に対処するため、LabVIEW NXGは、モジュール式ハードウェアと広範なエコシステムを含む、NIのソフトウェアを中心としたプラットフォームを基盤にしています。この柔軟なモジュール型アプローチは、プロジェクト要件の変更にも対応するよう設計されており、ハードウェア設定、初期計測、解析から効率的な開発環境への移行に役立つ、LabVIEW NXGのエンジニアリングワークフローに反映されています。これは、このシステムのユーザであるエンジニアのみがテストと計測システムをカスタマイズする場合に重要です。このカスタマイズへの移行を通じて、エンジニアはエンジニアリングの洞察、構成、分析ルーチンを維持できます。LabVIEW NXGを使用することで、一歩進んだレベルから作業を開始できるようになります。また、高度な分析、ロジック、自動化が必要な場合も、既存の作業に重ねる形ですばやく構築を行えます。

過去30年、LabVIEWを使用した何十万人ものエンジニアや科学者が、エンジニアリングタスクの抽象化によって生産性を向上させ、グラフィカルプログラミングでの直感的な機能ビューの恩恵を受けてきました。LabVIEW NXGはこのような実績をベースに、共通の開発タスクの最適化というエンジニア固有の機能を組み合わせることで、システム開発時間を短縮します。ライブのワイヤリングプレビューやエディタズームなどのインタラクションの迅速な編集から、スナップラインや新しいUI要素を備えたユーザインタフェースの開発、統合型のデバッグプローブウィンドウの使用まで、この開発環境を活用すれば、より少ないクリック操作で、プロフェッショナルなエンジニアリングシステムを開発できるようになります。

図6. LabVIEW NXGは、最新技術に基づいた、アダプティブなエディタです。迅速な編集インタラクションや新しいユーザインタフェース開発機能により、プロフェッショナルなエンジニアリングシステムの開発時間を短縮できます

より良い結果を得る

エンジニアリングには変化はつきものであり、その結果は、迅速かつ革新的なソリューションの推進に役立ちます。この速いペースを受け入れる唯一の方法は、別のアプローチを取ることです。つまり、エンジニアや科学者が結果に集中できるように、それぞれの状況に合わせたアプローチにすることが大切です。具体的には、現代のエンジニアで即時的な洞察と迅速なイテレーションを可能にし、ライバルを停滞させる障害を軽々と乗り越える能力をもたらすアプローチです。LabVIEW NXGは、エンジニアリングを迅速化し、世界を進歩させます。

著者紹介

Jonah Paul(ジョナ・ポール)
National Instruments
NIシニアソフトウェアプロダクトマネージャ
グループマネジャ(ソフトウェアマーケティング)

率いるチームが、NIソフトウェア製品(LabVIEWを含む)のリリースを担当。
2007年にNIに入社。アプリケーションエンジニアとして顧客サポートに従事した後、オースティンをベースとするサポートグループのマネージメントに携わる。その後、プロダクトマネジメントに移籍し、NIの組み込みソフトウェア製品のマネジメント担当に就任した。

近年は、NIの自動テストソフトウェア全体へと軸を移している。率いるチームは、顧客からの情報収集、NIのフィールドエンジニアのサポート、ソフトウェアの新製品のリリースなどに取り組んでいる。

電子工学の学士号を取得(ウィスコンシン大学卒)