計測システムの設定
計測器やセンサを開発するベンダの数が多いと、システム内の共通コンポーネントの特定や設定が難しくなる場合があります。たとえば、非染色性生検標本の分析用のレーザー顕微鏡の開発で使用される、Histoindexシステムの設定について考えてみましょう。このPCベースのシステムは、ガルバノメーター、レーザー、カメラなどの4つの計測器タイプを含む、5つのサブシステムに依存していました。このようなシステムでは、ハードウェアの検出、適切なドライバのインストール、セットアップなどの基本的なタスクが、煩雑で時間のかかるものになることがあります。
LabVIEW NXGは、これらの重要な設定手順を簡素化する、インタラクティブなワークフローを提供します。プログラミングが不要になることで、自動での検出やドライバ識別、ドキュメントの統合、インタラクティブなソフトフロントパネルにより、ハードウェア構成の検証や計測結果の表示をスピードアップして、信号の即時取得と視覚化が行えます。
こうした時間はかかるものの重要な手順を簡素化することで、習熟したアプリケーションの細かな部分に集中して、独自の価値を付け加えることができます。
計測データの分析
従来、システムの特性づけでは、類似したセンサタイプの少数の信号のみの計測が必要であり、その後の分析とレポート生成に時間がかかっていました。しかし現在では、取得する必要がある物理的な計測対象物の数と多様性は、劇的に増加しています。
たとえば、Instituto Hidralico de Cantabriaの研究者は、自由表面移動センサ、歪みゲージ、超音波距離計測装置、レーザーシステムなどのセンサを統合する、画期的な油圧リサーチシステムを開発しました。これらのセンサとアクチュエータがあるため、研究者は取得したデータを結合し、後の分析と結果抽出のために、発生したさまざまなイベントを同期させることができなければなりませんでした。
計測システムの複雑さが増すにつれ、Instituto Hidralico de Cantabriaのような場所で働くエンジニアは、計測結果から洞察を得るのに十分な時間が割けなくなります。さらに、これまで信号の分析に使用されてきたツールは、断片的であったり、他の業界から借用してきたものであったり、エンジニアが検証やテストのために必要とする、技術的計測、分析、システム結果のために最適化されていなかったりというケースが多く見られます。
LabVIEW NXGの開発環境では、収集、分析、表示が必要なデータが常に存在するため、さまざまなセンサやアクチュエータの情報エンジニアリングシステムキャプチャを最大限に活用できます。この新たな体験は、データを見ることができれば、それをワンクリックでキャプチャできるという考えに基づいています。データには、信号、構成、分析結果、入力、出力(実質的に、環境内にあるものすべて)が含まれます。LabVIEW NXGでは、これらのプロジェクトキャプチャを一元化したデータ管理ペインで収集して、エンジニアリングデータのインタラクティブな管理が簡単に行えるようにします。
このデータリポジトリから、統合型データビューアを使用してデータをすばやく検索し、波形の中でも関心のあるポイントを最初に調べることができます。次に、関心のある領域をワンクリックするだけでデータをインタラクティブに分析し、計測結果からの洞察を即座に表示できます。さらに、パラメータをリアルタイムで視覚的に調整して、分析ルーチンをプロジェクト要件に合わせることもできます。