「VR」:有機EL不足でVR機器の成長は困難か
2016年初めにAppleがAppleウォッチシリーズ2を発売したが、次世代コンシューマエレクトロニクスのブランドメーカーは、そうしたスマートウォッチやスマートバンドなどの着用可能な機器の開発に加えて、VRハードウェアに期待をかけた。VR機器への需要は強いが、TrendForceのウェアラブル機器担当アナリストJason Tsai氏は「需要に応じて供給が増大しなかった。有機ELパネル不足のために、HTC、Oculus、ソニーなどのVR機器メーカーは2017年も出荷を増やせない可能性が高い」とする。
TrendForceは2016年のVR機器出荷数は全世界で291万台に留まると予測しており、供給不足が続き、出荷が制限されると見ている。そのためTrendForceも2017年のVR機器出荷は年間で510万程度と、爆発的な普及となるとは見ていない。
「人工知能」:ビッグデータ活用のため社内IT構造刷新が必要
IoTは、ビジネスモデルの変更を余儀なくさせ、すべての業界に革新をもたらしている。効率性と創造性を必要とする分野でビッグデータが新たな用途を見出すことが可能となり、これにより今まで見落としていた経営上の死角に対処することができるようになるためだ。このため、ビッグデータは企業内の最高情報責任者(CIO)の重要性を提起することとなり、CIOの役割が現在、ホットな議論の的になっているとする。
「従来の企業におけるITの構造は、市場からのデータの爆発的な増加に対処する能力を持っていない」とTrendForceのIoTのアナリストJimmy Liu氏は述べている。また、「そのため、多くの企業が自社のIT構造を刷新しようとしていると同時に、人工知能(AI)の分野はディープラーニングのアルゴリズムの進歩により再び大きな注目を集めるようになっており、近い将来AIシステムは、人間の複雑な意思決定を支援するだけでなく、業務自動化を実現できるようになるだろう」と、人工知能の進化が進み、これまで以上にさまざまな分野での活用が進むことが期待されるとしている。