「女子高生社長」というワードを聞いて、「椎木里佳のことだ」と勘付く人はそれなりにいるのではないだろうか。この春、高校を卒業してその"看板"を捨てる椎木里佳さんに、これまでの3年間や2月にリリースしたアプリについて話を伺った。

【インタビュー】"女子高生社長"からの卒業 - 椎木里佳が語る「アプリ」「炎上」「将来」(前編)

やりたいことは色々と

AMF 代表取締役社長 椎木 里佳さん

――これからはアプリに注力されるのでしょうか。

椎木里佳さん(以下、椎木さん) あくまでアプリは事業の1つです。ミルピクであっても、ほかでも、アプリ事業の、そのうちの1つとしてやっていくということを考えています。

一方で、マーケティング事業をやっていて「自分の会社で何かを作り出さないと社会に認めてもらえない」ということを強く認識したんです。マーケティングサポートをやっていると言っても、世の中には理解してもらえない事業なんだなと。「別に誰でもできる」と言われたことで、自分の会社でアプリ作ったり、会社の事業として何かをやらないといけないという意識は持ちましたね。

(ほかのアプリのアイデアは?との問いに)アプリ、というと少しイメージは違いますが、インターンシップサイトをやってみたいんですよね。それも、高校生のインターンシップです。ちょっと前まで、大学生の方が運営されてたサイトがあったんですがなくなってしまって…。

個人的に、「大学生になってからのインターンシップは遅い」と言いたいんです。就活のために、「その会社に入りたい」という動機だけでインターンシップは遅いと思います。だって、それでインターンシップ受けてみて「楽しくなかったら、そこでどうするの?」と思ってしまうんですよ。高校生というタイミングだからこそ、ベンチャー行ってみたいとか、大企業で働きたいとか、さまざまな可能性を自分で模索できるんです。そうすれば、法学部へ進もうと思っていたけど、(慶応の)SFC目指してみようかとか、大学の選択肢も広がりますからね。

――中学3年生で起業されたわけですが、なぜ"女子高生マーケティング"をやろうと考えたのでしょうか

椎木さん 色々な場所でお話させていただいてますが、中3で起業したこと自体は特別だと思っていませんでした。ただ、最初に仕事をやってみた時、サイバーエージェントさんとお仕事をした時ですね、「女子高生の視点ではどう思いますか?」と聞かれて、「そこが私の特徴になるんだ」と気付いたんです。「そこを囲むビジネスが上手くいくんだ」と。

ほかにも、似たようなことをやっている同年代の人はそれなりにいますけど、多くの人が法人としてビジネスしていなくて、読者モデルと平行してやっていたり、この仕事一本でやっていなかったんです。私の場合は企業として、法人同士のやり取りができるメリットが大きかったんだと思っています。