もともとは、業務用の"試作用機器"として存在した3Dプリンタ。しかしここ数年で、コンシューマー向けの小型で手軽なモデルが一気に普及し始めている。今回、株式会社ストラタシス・ジャパンから発売されている、MakerBot製品の「MakerBot Replicator Mini(メーカーボット レプリケーター ミニ)」をお借りすることができたので、実際に筆者が自宅で使ってみたレビューを、お届けしたいと思う。
信頼性・手軽さ・デザイン性、すべてを兼ね備えた「MakerBot Replicator Mini」
「MakerBot Replicator Mini」は、世界で7万台以上の販売実績を誇る、コンシューマー3DプリンタのパイオニアであるMakerBot社が、今年リリースしたデスクトップ3Dプリンタである。同社が扱う3Dプリンタの中では最も小型で、手軽さを前面に打ち出している製品だ。
その手軽さは、付属のクイックスタートガイドに従って作業を進めるだけで感じられた。"箱から出す"といったアクションまで含め、たったの14ステップでプリント可能な状態にたどりついてしまったのだ。その間、細かい調整やセッティングのたぐいは一切なし。気をつかったといえるのは、造形物をプリントするビルドプレートにシートを貼るときくらい。誰しもシールを貼るときは、まっすぐ貼ることができるか、ちょっとは気をつかうだろう。それくらいの気づかいでOKなのだ。
フィラメントが溶かされ、精密に制御されながら3Dモデルをプリントする。最も大事な場所であるはずのエクストルーダー部分ですら、パチンとはめ合わせるだけ。強力なマグネットが仕込まれているおかげで、しっかりと位置決めが行われる。3Dプリンタは「精密機械」という先入観を打ち崩す、生活家電に近い気安さだ。
肝心なエクストルーダー部分は、強力な磁石により確実にセットされる。故障の際もこのユニットごと交換することで、簡単に本来の性能を取り戻せるそうだ |
ビルドプレートに貼ったシートは消耗品だが、10枚セットで1,400円と安価なうえ、思ったよりもずっと丈夫だ。筆者は連続して5つのデータをプリントしたが、まったく傷つくことはなかった |
まるで生活家電のような、たたずまいにも注目だ。リビングに置いても違和感がない黒を基調としたボックス形の筐体デザインは、工作機械然とした雰囲気がほとんどないのだ。