風速10m。おっ、さっきよりは幾分、楽な気がします。風自体の強さは相変わらず凄まじいのですが、モーメント(回転力)が少ないからか、持ち手部分への負荷が意外と少ない感じです。
……が、しかし、これも風速15mを超えたあたりで傘が風に負け始め……。
風速20mで崩壊。
こうなるともう、さっきと一緒です。
持ち手をキープすること自体は90°より楽な感じがしたのですが、傘自体が壊れるのは早かったです。というかこれ、風速30mなんて絶対無理でしょう……。
さて、続いては60°です。そろそろ皆さん同じような写真に飽きている頃だと思いますので、サクサクいきましょう。
「何か嫌なことがあって、傘を地面に叩きつけようとしている人」みたいになってしまいましたが、60°では風速23mあたりで傘が壊れてしまいました。手に持った感覚としては、90°よりは楽で、75°に比較的近い感じ。悪くない気がします。
そして45°。
疲労した聖火ランナーみたいな体勢になっていますが、45°では風速19mあたりで壊れ始め、風速20mくらいで原型を留めなくなってしまいました。壊れるまでの時間も早かったですが、明らかにこれまでよりも風の圧力を多く感じました。これはたぶん、斜めに深く傾けたことで、風圧力を受ける面積が増したからでしょうね。
ラストは0°。すなわち、風の方向に向かって傘を突き出す体勢です。
これで傘が剣だったら超かっこいい必殺技を放っている漫画のキャラですが、あいにく傘の先からは何も出ていません。むしろ前方から出てくる風に押されて必死に耐えているところです。
この体勢だと持ち手部分には風が当たらないのですが、傘の前面すべてで風を受け止めることになってしまい、圧力がハンパないことになります。傘の暴れ方は、これまでのどの持ち方よりもダントツですごいです。じゃじゃ馬ならぬじゃじゃ傘をコントールしようとがんばってみるも……。
風速24m付近で制御できなくなり、吹き飛んでしまいました。ついでに傘に引っ張られて自分も転びました。風に対してこんな傘のさし方をする人は少ないと思いますが、一定レベル以上の暴風時にはかなり危険なのでやめた方が良さそうです。
ということで、0~90°まで、様々な角度においての傘のさし方を自らの体で検証した結果、次のような結論にたどり着きました。
- 常識的な範囲の強風では、手にかかる負担が楽なのはやはり75°付近。
- ただし、傘の耐久力は別の話で、骨の曲がる方向や風を受ける角度で変わる。風速20mを超えるとビニール傘は壊れる。
風速20mを超えるような場面に遭遇することはなかなかないと思いますが、そうなったら傘の角度とか関係なく吹き飛ばされる恐れがありますので、傘はささないようにしましょう。飛ばされると他の人も危ないし、そもそもそんな状況だと雨も防げないし。
通常の風雨でしたら、まっすぐさした状態から少しだけ斜め前に傾けた75°を保つのがオススメです。
最後にオマケとして、骨がたくさんある丈夫さが売りの傘で試してみました。
……その結果、やはり風速20mあたりで変形してしまい、傘としての機能は果たせなくなりましたが、なんと骨は折れることなく、傘自体は無傷でした。高級な傘、すごい。
【本日の結論】
- 風の強い雨天は75°。
- 超強風の日は傘は諦めろ。
- 良い傘を使おう。
■埼玉県防災学習センターからのコメント
平均風速が概ね20m/s※を超えると暴風警報が発表されるので、外出は極力控えた方がよいです。最新の気象情報を確認して、自分の安全は自分で守りましょう。
※地域によって基準値は異なります。