科学技術振興機構(JST)は3月21日(金)~24日(月)、兵庫県立総合体育館(兵庫県西宮市)において「第3回 科学の甲子園全国大会」を開催した。各都道府県で選抜された高校生チームが、科学に関する知識や技能を競う大会。優勝は三重県代表の伊勢高等学校チームで、以下、岐阜県、滋賀県、愛知県と続き、隣接する4県が上位を独占した。

兵庫県立総合体育館。科学の甲子園の会場となるのは3年連続

会場内の様子。白衣を着ていて、いかにも科学の甲子園っぽい

前回大会からの変更点は?

「科学の甲子園」は、高校生を対象に2011年度から実施されている競技会である。野球の甲子園大会の"理系バージョン"といった位置付けになっており、出場するのは各都道府県代表の47チーム。毎年、春のセンバツ大会と同じ時期に、甲子園球場にほど近い兵庫県立総合体育館にて開催されている。

前回大会の様子はコチラ

大会の競技は筆記(360点)と実技(各240点×3競技)で構成され、その合計点で順位が決まる方式。各競技の課題は、理科、数学、情報といった幅広い範囲から出題。単なる"知識比べ"ではなく、応用力が問われる問題が多いのが特徴だ。1チームの定員は6~8人。チーム内での枠割り分担など、チームワークも非常に重要になってくる。

大会の概要は昨年までとほぼ同じであるが、今年は「競技の見せ方」をかなり工夫していた印象を受けた。昨年は実技が4競技あったため、進行の都合上、同じ時間帯に2つの競技が行われていた。会場が別々なので、すべての競技を見るためには時間中に移動する必要があったのだが、今年は3競技に削減。すべて大体育室で行われ、落ち着いて観覧できるようになった。

また、科学の甲子園はスポーツのような派手な動きがないため、テーブルの上で何をやっているのかが、外部からはどうしても分かりにくい。そのため、希望者には音声レシーバを貸し出しており、音声ガイドによる解説を聞くことができるのだが、今年は司会と解説者の掛け合いが絶妙で、聞いていて非常に面白かった。このように飽きさせない取り組みも重要だろう。

実況ブース。音声レシーバで競技の内容やポイントなどを聞くことができた

ちなみに、誤解している人もいるかもしれないが、全国大会の観覧は自由。多くはチーム関係者だったように見えたが、一般でも自由に見ることができるので、興味があれば会場まで足を運ぶことをお勧めする。科学好きであれば、きっと楽しめるだろう。

なお、筆記競技については非公開だったため、以下、本レポートでは実技競技についてのみ内容を紹介する。筆記競技では、滋賀県立膳所(ぜぜ)高等学校(滋賀)が1位となっている。