こちらもvCACから見ていこう。
テンプレート機能
vCACには、「カスタムプロパティ」機能があり、管理者は「ブループリント」と呼ばれる仮想マシンのテンプレートに対して、様々なプロパティ(レシピ/マニフェスト)を設定できる。プロパティの値は管理者があらかじめ設定しておくこともできるが、仮想マシン作成時にユーザーに入力させることも可能だ。
この機能と構成管理ツールを組み合わせて利用することで、JEOSに対してダイナミックにアプリケーションやミドルウェアを構成することができる。ユーザーは、仮想マシンを作成する際にプロパティから目的のものを選ぶだけだ。
また、vCACにはApplication Directorと呼ばれるコンポーネントがあり、仮想マシンとミドルウェアの組み合わせを「アプリケーションブループリント」として構成することも可能だ。このコンポーネントを利用すると、3rdパーティ製品を利用せずに、動的に仮想マシンを構成することも可能になる。
期間設定機能
vCACでは、管理者が仮想マシンテンプレートに対して、最大利用期間を設けられる。また、利用者が仮想マシンをリクエストする際にリース期限を入力させる機能も備えており、指定した期間が経過した仮想マシンは自動的に削除できる。
加えて、vCACには「Reclaim」(返還要求・回収)と呼ばれる機能も実装されている。管理者は、vCACのUIから組織内で運用する仮想マシンとその利用者の情報を確認でき、それぞれの仮想マシンに対して「Reclaim」要求を送れる。Reclaim要求は利用者に送信され、利用者が承諾すると該当する仮想マシンが削除される。無駄なリソースを開放することが可能だ。
vCACでは、こうしたテンプレート機能に関連して、仮想マシン作成以外に他のアプリケーションとの連携機能も搭載されている。例えば、Active Directoryのアカウント作成やExchangeサーバのメールボックス作成等を、vCACから行うことも可能だ。将来的にITに関わる様々な業務をセルフサービス化することも期待され、同社が提唱する"ITaaS(IT as a Service)"を具現化するツールとなりうる。