"現実的”と"ギークかわいい"が同居する女子力
エンジニアの望月美帆さんのこだわりアイテムは、Microsoft製のマウス。ワイヤレスを使う人が多い中、あえて軽さで有線のものを選んだそうだ。「赤が好き」という好みにもピッタリな一品。
本当はMac派だそうなのだが、「キーボードに水をこぼした時に、水抜き穴があったほうがいいから」という理由でThinkPadを使用。好みと実用を天秤にかけて、現実的な線で判断されている。その一方でかわいいアイテムも忘れない、ハイレベルな女子力の持ち主だ。
ディレクターならではの必須アイテムで一発勝負
ディレクターの首藤まり江さんは、職種柄デスクワークだけでなく客先への訪問も多いという。そんな彼女ならではのこだわりアイテムはステープラー。「これ一点勝負で」という気に入りようだ。普通のステープラーはみんなが持っているので変わった物を使いたい、そしてお寿司が大好き、というふたつの理由で買った一品。客先へ持っていく企画書をこれで綴じているということで、「お客さんにも(閉じた後の資料だけでなく)このステープラーを見せたいですね」とお気に入りの様子だ。
また、名刺入れにはなぜかキョロっとした目玉が。これだけなら「カワイイ」という感想で済むアイテムだが、カバンからヒゲ付きの無線LANルーターを取り出すと、頭上に「♪」が浮かぶ勢いでふたつを重ねて見せてくれた。よくよく見れば、どちらのアイテムも色や質感が似ていて、重ねると名刺入れのフタがちょうど鼻の位置にきている。普通は全く接点のないアイテムなのに、組み合わせてみようと思うのがディレクターらしい視点なのかもしれない。
メイン機材から小物まで貫く美学
トリを飾るのは、エンジニアの村井孝至さん。最近は映像・音響関係の仕事が多いという。同氏の一番のこだわりアイテムは、大きなディスプレイを支える頑強なスタンドだ。仕事によって作業スペースの幅が変わるので、それに応じてポジションを調節しやすいように導入したそうだ。
映像や3DCGの編集作業が多いため、MacBook Proにはアルミ棒タイプのスタンドで傾斜をつけ、底面の放熱に配慮している。本体と同じ材質のアイテムを選んだのがこだわりドコロ。他にも、椅子ではなく机に取り付けるアームレストやヘッドホン、名刺入れなどのちょっとした小物に至るまで、こだわりの枠には収まらない美学がある。
村井さんはiPhone・iPad用のスタイラスも持っているが「最近は"空中に描く"ほうが面白い」と言って取り出したのが「Leap Motion」というデバイスのデベロッパ版。タッチパネルや3Dコントローラのような操作をハンドモーションで認識するというもので、これを使った製品も企画中だという。
取材の結果、ぐるりとオフィスを一周する形になったのだが、一人ひとりが自身の道具選びにこだわり、それが総体となって"面白法人"を形作っていることが実感できた。これらの"七つ道具"を用いた、カヤックらしい新たなサービスの誕生が楽しみだ。