「TRIP→プロジェクト」の灯りのもとで
六本木ヒルズアリーナに設置された"灯台"は、「TRIP→今日が明日になるのを目撃せよ」というイベントのテーマを照らす道しるべ、というコンセプトで作られたもの。最上部に赤々と燃えるのは、東日本大震災の津波による塩害で立ち枯れた杉を材料にした炭。日比野やアートナイトスタッフの手によって、現地で杉を切り、炭焼きをするところから制作が行われた。
夜通し火が灯る灯台のもとで、トークイベントやパフォーマンスがオールナイトで披露された。ときおり、パンという炭がはぜる音とともに、ガラスの内側を火の粉が舞い落ちる。消防法をクリアするために行き着いた炭火という手段が、静かに、しかし絶えることなく、追悼と復興を考え続ける道しるべを体現するものになった。
六本木ヒルズ各所に作品を展示
また、六本木ヒルズの各所に、さまざまなインスタレーションや体験型作品が展示された。設置場所や参加者が作品の一部となることで、アーティストの意図がより際立つものとなっている。