まず一口にUPSと言っても、その種類はさまざまだ。大きさだけを取っても、家庭やSOHO向けのものと大企業のサーバールームやデータセンター向けのものでは雲泥の差がある。これにタワー型やラックマウント型といった形状や出力可能な電力量、電源の供給方式などの違いによって膨大なバリエーションが存在している。
ここでは中小企業のオフィスでの利用を想定して、Smart-UPSの信頼性の高さと高機能はそのままに、とりわけ管理や運用の簡便性に優れたSMT/SMXシリーズを取り上げることにしよう。
Smart-UPS SMT/SMXシリーズには、最大出力容量が500VAから3000VAまでのモデルがラインナップされている。いずれのモデルも一般的なAC100Vの電源で稼働しながら、バッテリー電源を使用せずに最大30%の電圧補正を行うAVR(自動電圧修正)機能や過剰な電圧/電流からの保護機能といった高可用性を保証する機能を備えている。
業界標準のUPS管理ソフトウェア「PowerChute Business Edition」を用いることで、さまざまなOSのIT機器を自動的にシャットダウン(もしくは休止)/再起動することができる。また、電源イベント分析機能によって、頻繁にバッテリーへの切り替わりが生じていたり急激に電圧が下がっていたりといった電源に関する過去のイベントの発生状況を把握。そうしたイベントが周期的なものなのか単発的なものなのかを分析して原因究明や適切な対処の支援を行ってくれる。
また管理ソフトは、接続するIT機器の電力消費も視覚的に捉えることが可能なため、毎月チェックすることで電力消費に無駄のある機器を特定して、電力の利用状況を改善することも期待できるのだ。