これまでOffice 365体験記では、企業内ユーザーを対象とした情報共有/コミュニケーション方法について紹介してきた。しかし、Office 365は同じ企業内だけでなくOffice 365を使用していない外部のユーザーと連携するための機能も提供されている。
本企画の想定企業「マイナビ商事」の場合、商社という特性上、クライアントやパートナー企業とプロジェクトを共にするケースが少なくない。その際、通常はメールと電話が主なコミュニケーション手段になるが、Office 365を利用すれば、スケジュール、ファイルサーバ、Webサイトを共有できるうえ、チャットやWeb会議によるリアルタイムのコミュニケーションも行える。こちらを利用すれば、メンバー間における認識の齟齬を減らせるうえ、進行もスムーズになることは間違いないだろう。
今回は、Office 365の中心サービスである「Exchange Online」「SharePoint Online」「Lync Online」の3つのサービスを使って、外部のユーザーと連携する方法を見ていきたい。
これまでのOffice 365体験記はこちら
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Exchange Onlineで外部ユーザーと予定表を共有
まずはExchange Onlineからご覧いただこう。
Exchange Onlineの予定表は他企業のユーザーと共有することができる。各担当者の空いている時間帯が一目で確認できるため、外部の関係者も交えて頻繁にミーティングを行うプロジェクトなどでは、業務効率化に一役買うはずだ。
Exchange Onlineには予定表をオンラインで共有するための機能が含まれており、Exchange Onlineの同一のテナントのユーザーだけでなく、他の企業のユーザーともインターネット上で予定表を共有することが可能だ。クライアントとプロジェクトを共有して進める場合などには、この機能を使用して予定表を共有することで効率的に日程調整することが可能だ。
予定表は「可用性のみ」「限定的な詳細」「詳細情報」の3種類から公開する内容を選択することができ、公開する期間も最長で二年間分(当日から前後一年)を指定することが可能である。
ここで予定表の公開範囲について少しだけ補足しておきたい。「可用性のみ」とは「空き時間のみを公開」することを意味している。英語版では「Availability Only」と表現されていることが容易に予測できるが、この日本語表現は少々いただけない。修正を望むものである。「限定的な詳細」とは、空き時間に加えて、既にスケジュールされている会議名などのタイトルが共有される。「詳細情報」を設定すれば、会議への参加者も含めたすべての情報がインターネット上に公開されることになる。
インターネット上に公開されると言っても、誰でも彼でも見えるようになるというわけでは無い。アクセスレベルを「制限あり」に設定しておくことで検索エンジンからのクロールを回避できる他、予定表のリンクを伝えた相手だけが当該予定表を参照することができる。
公開の設定をするとインターネットで予定表を確認するためのリンクが表示される。予定表の参照をさせたいユーザーにこのリンクを連絡することで、外部のユーザーに予定を公開することができる。
予定表はiCalendar形式のファイルのリンクも提供されているので、インターネット予定表として購読することも可能である。
なお、管理者がインターネット予定表の公開を制御することができるので、外部に予定表を公開させたくない場合にはこの機能の利用を禁止することも可能だ。