富士通という会社はどういう会社か。一言でいうと、ICT で社会を支えている会社です。つまり、社会に対して、それだけの重い責任を担っています。富士通は、創業以来76 年にわたって、ICTインフラの革新的な進化を実現してきました。
今後、SNS やスマートフォンの普及によりさらに大量に増え続けるデータを、今よりも圧倒的に高速に処理できるインフラが必要になります。セキュリティやエネルギー効率も、新たな次元で実現していかなくてはなりません。技術的なブレークスルーがいくつも必要です。富士通は、その最前線でイノベーションに取り組んでいます。
その一例が、世界で一番高性能なスーパーコンピュータ、理化学研究所の「京」です。富士通がCPU からソフトまで全部開発を手掛けた、我々の技術の結晶です。
今、日本では電力不足が課題となっていますが、ICT を使ってエネルギーマネジメントをもっとうまくやろう、という取り組みも始まっています。東南アジアや中東の都市で、環境に優しい豊かなまちづくりにも、着手しています。また、おいしいミカンや野菜を作る、あるいは、在宅で安心して医療がうけられるということを、クラウドで支えることにも取り組んでいます。 富士通はICT で社会を支え、そしてICT を通じてより豊かな社会を実現することを目指しています。
もちろん、富士通には課題もあります。特に、これからもっとグローバル化を進めていかなくてはいけないと思っています。市場のグローバル化が進む中で、世界に通用する価値を提供できなければ、海外でビジネスを拡大することはおろか、日本でもプレゼンスを守ることはできません。組織改革などいろいろな取り組みを進めていますが、最終的には、社員一人一人の意識が変わっていく必要があります。皆さんも、心の中に国境を作らず、常に高い視点で、チャレンジしていってほしいと思います。
1 年前の東日本大震災のことを思い出すと、今日の、この入社式を滞りなく迎えられたことに、感謝せずにはいられません。
ただ、被災地に目を向けると、状況は今も、期待したほど好転していません。東日本大震災からの復興は、これからが正念場です。復興に向けて、ICT としてどのように貢献できるか、当社でも真剣に考えて取り組んでいます。
何より重要なのは、これからの世代を担う皆さん方が、希望をもって前を向いて生きていくということだと信じています。特に皆さんは、いわば、復興1 年生です。大きな夢をもって、ともに未来を切り拓いていただきたい。そして高い志をもって、困難に挑んでいただきたいと思います。
これから先、時には迷うことやつらいこともあるかもしれません。その時には、この入社式を、そして豊かな未来をつくるという私たちの誓いを思い出してください。そして、皆さんには多くの仲間がいる、ということを思い出してください。
富士通という大きなチームで、一緒に頑張っていきましょう。