第2世代以降のIntelプロセッサに対応しているので、オンコアグラフィックスが利用できるため、本体にはDVI-Iポートが用意されている。スタンドアロンの状態でもモニターとUSBポートにキーボードさえ繋げば、GUIを使って初期設定することが可能というわけだ。

「MousePro SV」シリーズの筐体背面

モニターとキーボード、マウスを接続すれば、使い慣れた操作で各種設定が行える(写真のキーボードとマウスはオプション)

プリインストールされているOSは、Windows Small Business Server 2011 Essentialsとなっている。CAL不要でサーバライセンスのみで利用でき、最大でユーザー数は25だ。中小企業およびSOHO向け製品ということもあり、ユーザー数でそれほど困ることはないと思うが、事前に確認しておいたほうがよいだろう。

モニターを繋げて起動すれば分かるとおり、操作画面はいつもの見慣れたWindowsのそれとほぼ変わらない。基本的な操作はダッシュボードから行うことができるので、特別な知識も必要ない。管理者不在の企業にとって、この容易な操作は非常にありがたいはずだ。

Windows Small Business Server 2011 Essentialsのデスクトップとスタートメニュー

Windows Small Business Server 2011 Essentialsのダッシュボード。通常の操作はすべてここで完結できる

また、当然のようにすでに使っているWindows搭載のクライアントPCとの親和性も非常に高い。ファイル共有はもちろん、クライアントPCの内容を丸ごと自動的にバックアップしたり、社外からサーバへリモートアクセスしたり、クラウド上にあるOfficeドキュメントを共有して操作したりと、サーバを使ってやりたいことは一通りこなすことができる。

このあたりはサーバを初めて導入する際や、他の候補としてNASを選択している場合には、本機との違いを明確にしておいたほうがいいだろう。単なるファイル共有に特化したデバイスと、多機能なOSを搭載したビジネスサーバの違いと言い換えてもいい。いずれにしても、本機を使って「できること」は事前に把握しておき、効率的な運用までプランニングしておいたほうがよい。

評価機はIntel Xeon E3-1260Lを搭載していたこともあり、操作のレスポンスは非常に良好だ。触りながら、業務で使っているクライアントPCと変わらない使い心地に、本機がワークステーションであるように錯覚してしまうほどだ。

このレスポンスの高さなら、サーバとして本格稼働を始めたとしても、ストレスを感じることはそうそうないはず。なお、ネットワークアダプタは1000BASE-Tに対応しているので、早期にネットワーク環境ごと構築し直しておけば、さらにその恩恵を得られるはずだ。サーバなので参考までではあるが、CrystalMark 2004R3とCrystalDiskMark 3.01×64のベンチマーク結果をご紹介しておこう。

CrystalMark 2004R3

CrystalDiskMark 3.01×64