アナログデータをデジタル化させるデバイスというのは、やはり自分で試してみないと納得がいかない。「本当に書いたままの画像が保存されているのか?」、メーカーには悪いが半信半疑で試してみた。
するとビックリ、手書きのメモが、ほとんどそのままデジタルデータとして保存されていた。使用した紙は、airpen Pocketが扱える最大サイズの「A4」。筆跡はデータ受信部から扇状に広がっているのに、ほとんどゆがみがない状態でデータ化されている。しかし、いくらここの原稿で「すごい!」と伝えても文字では伝わらないので、実際に書いた紙のノートをスキャンしたものと、airpen Pocketで生成されたデータを掲載した。十分に実用的なのがわかるだろう。
Windowsでは画像の文字をテキスト化してくれる
airpen PocketはWindows XP、Vista、7(32bit版)と、Mac OS Xで使用可能。Windows版だけの機能として、文字認識ソフトが収録されている。Windows用アプリケーション「airpenNOTE」でメモリユニットから画像を取得したら、ツールバーの「認識開始」アイコンをクリック。すると、画像内に書かれている文字をテキスト化してくれるのだ。筆者は文字が汚いのだが、それでも文字の半分以上は認識してくれたのだから、文字がキレイな人だったらかなり有効なのではないかと思う。ともあれ、文字認識機能がWindows版だけというのは悲しい。今後、Mac OS版アプリケーション「airpenMAC」にも文字認識機能が搭載されてくれることを望む。
解像度は100dpiなので細かい絵・イラストも認識可能
文字は十分認識してくれることはわかった。では次に、絵はどうなのか? ノートに落書きをしてテストしてみた。すると、こちらも文字同様にとても正確にデータ化された。
airpen Pocketの解像度「100dpi」は、1インチ(約2.5cm)内の情報を100分割してデータ化しているということ。デジタルペンのペン先は通常のボールペンなので、それほど細い線は描けない。100dpiもあれば十分すぎるわけだ。雑誌やパンフレットなどに載っているイラストをなぞったら、その絵をトレースした画像を簡単に作れた。airpen Pocketは会議や打ち合わせのメモを取るビジネスマンだけでなく、スケッチやラフを描くイラストレーターにも有効なデバイスだと感じた。
モバイルノートPCやスマートフォンが多く出回っている時代だが、いまだに紙と鉛筆でしかできない現場は多々あるはず。特に、図形やイラスト、地図などをメモするときには、テキストデータだけでは不可能。airpen Pocketは紙と鉛筆を使い続ける人たちにとって、とても強力な武器となるデバイスだ。
これも筆者の字が汚すぎて参考になりにくいが、このようにイラストと文字が混在していても、文字認識させることが可能 |
デジタルペンをPCにUSB接続すると、「マウスモード」として使うことも可能。このモードにすれば、簡易マウスのような感じでPCの操作をデジタルペンで行える。マウスクリックはペン側面のボタンで行う。写真はダウンロードした画像をEvernoteにアップロードしているところ |
■試用機の仕様 | |
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airpen Pocket | |
赤外線/超音波検知方式 | |
USB/Bluetooth 2.0(Class2) | |
2MB(A5/100ページ相当) | |
ボタン電池 SR41×2(連続筆記90時間) | |
内蔵リチウムイオン充電式電池 | |
A4サイズまで | |
デジタルペン:18×14×145mm/22g、メモリユニット:77×27.4×12mm/22g | |
Windows XP/Vista/7(32bit)、Mac OS X Leopard以上(Intel Macのみ) | |
価格 | オープン。店頭予想価格は17,800円前後 |