富士通の豊木氏はグローバルパートナーの観点からOracleに対する期待と、両社のパートナーシップの展望を語った。
75周年を迎えた同社は今年3月に「shaping tomorrow with you」というブランドプロミスを掲げた。長期的なパートナーシップを重んじ、情報・通信技術を以て顧客の可能性の拡大を手助けする。これはICTの力で社会の未来を切りひらくことも意味する。システム中心ではなく、人が活動しているあらゆる場所で的確なサービスが提供される未来だ。たとえば車のナビゲーションシステムから収集されるデータは、自動車メーカーの改善に活用され、また新しいサービスやビジネスモデルを生み出し、そして渋滞の緩和にも役立つ。引いては、排気ガスを起因とする疾病や気候変動の問題を解決する礎にもなる。ほかにも農業へのクラウド技術の活用などを例に、豊木氏はヒューマンセントリックなICT社会を実現していくビジョンを示した。
日本を拠点に、その歴史の中でグローバルカンパニーに成長した富士通は、2008年より「Think Global Act Local」をキーワードに、ローカルの特性を踏まえながらもグローバルな視点に基づいたソリューション提供に乗り出している。グローバルサービスを提供していく上で、カギとなるのが有力なグローバルパートナーとの協業を通じたグローバルな枠組みづくりだ。富士通とOracleは20年以上のパートナーシップを通じて、ビジネスクリティカルな事業要素に対応するソリューションを提供してきた。加えて、UNIXサーバ事業において富士通はSunと運命共同体と呼べるような関係にあった。今日の富士通とOracleは、信頼性が高く持続可能なソリューションをグローバル市場に提供し、またSPARCおよびSolarisサーバプラットフォームの成長を支える「ユニークで自然なパートナーシップである」と豊木氏。こうした相乗効果はいま、クラウドコンピューティングという新分野に及ぶ。パフォーマンスに優れ安定したプラットフォームを土台に、富士通が長年のデータセンター運用で培ってきた経験とシステムインテグレーション技術を駆使し、「連続性」「柔軟性」「拡張性」を満たすクラウド環境を実現している。