原研哉、永原康史両氏が毎回、さまざまな分野の専門家を招き、オンスクリーンでのタイポグラフィを考える会「言葉のデザイン2010」。東京ミッドタウン内のインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで行われた第二回は、オンスクリーンに最適な文字とはなにか、書体とはなにかを考える意義深い会となった。

7月2日(金)、社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が主催する「言葉のデザイン2010―オンスクリーン・タイポグラフィを考える」第2回の研究会が開催された。ディレクターは原研哉と永原康史。ディレクターの原研哉は、冒頭、このような問いかけを行った。

これまで紙媒体で展開されてきた美意識を、今後、オンスクリーンでも反映することはできるのでしょうか。そもそも、反映する必要があるのかどうか。オンスクリーンメディアにおいては、言葉のあり方そのものが変化しようとしている。そのとき、デザインも変わらざるをえないのではないか」(原)

今回のゲストスピーカーは、字游工房の鳥海修とアクシスの宮崎光弘。両者を紹介するにあたり、原とともにディレクターを務める永原康史はこう語った。

「タイポグラフィには『使う』と『作る』というふたつのフェイズがあります。今回は『作る側』からの報告となります。おふたりとも、紙媒体とオンスクリーンメディア、双方で使用される書体をデザインなさっている。はたして、両者に本質的な違いはあるのか。現場の知見に耳を傾けたいと思います」(永原)