『勝利への脱出』(1981)
言わずと知れたフットボール映画代表格。『マルタの鷹』(1941)、『白鯨』(1956)等、無骨全開ジョン・ヒューストンが監督。シルベスター・スタローン、マイケル・ケインのタッグもさることながら、神様ペレ、イングランドのボビー・ムーア、元マリノス監督アルディレスなど名プレイヤーがわんさか出演。ちなみに、脇役プレイヤーたちはイングランドのイプスウィッチ・タウンFCの現役選手だったとか。配役に凝った単なるフットボール映画でなく、映画作品としての完成度に脱帽。
『ペレを買った男』(2006)
1968年にアメリカとカナダに生まれた「北米サッカーリーグ」を、ペレやベッケンバウアーが在籍したチーム「ニューヨーク・コスモス」を通して描いたドキュメンタリー。ナレーションは名優マット・ディロン。あまり目にすることのないニューヨーク・コスモスの映像が、70年代のヒット曲に乗って軽やかに蘇る。ちなみに、タイトルの「ペレを買った男」とはアメリカのメディア王ことスティーブ・ロス。ベッケンバウアーのインタビュー映像など、貴重な映像がところどころに散りばめられている。秀作。
『クリクリのいた夏』(1999)
1930年代のフランス片田舎を舞台にしたヒューマンドラマ。監督は『エリザ』(1995)、『ピエロの赤い鼻』(2003)のジャン・ベッケル。ゴダール『右側に気をつけろ』出演のジャック・ヴィユレによる名演が光る横からいきなり登場するプロボクサー役に、なんと元マンチェスター・ユナイテッドのエリック・カントナが! かなりのハマリ役で名演。カントナはケイト・ブランシェット主演『エリザベス』(1998)等にも出演するなど俳優として活躍中。ちなみに、彫刻家としても高い評価を得ていることはあまり知られていない。
『エリックを探して』(2009)
そのカントナが「エリック・カントナ」本人役として出演した映画『エリックを探して』。監督はこちらもフットボール狂として名を馳せる『ケス』(1969)、『麦の穂をゆらす風』(2006)のケン・ローチ。"社会派"監督としてシリアスな作風が多いケン・ローチが描いたコメディタッチの同作は、東京国際映画祭2009で上映。カントナのセリフがいちいちカッコいいだけでなく、ちょいちょい出てくるマンチェスター・ユナイテッド時代の映像が、これまたスゴい。カントナが設立した映画会社による初プロデュース作品。