C言語でFPGA開発
FPGAベンダのXilinxブースは、同社の代理店各社とともに「Virtex-6」や「Spartan-6」を用いたソリューションなどの展示を行っている。
Virtex-6では、東京エレクトロンデバイス(TED)のグラバボードを用いて0.9V動作のVirtex-6 -1LでDDR3-1066の動作デモ(Xilinxでは、Virtex-5と同等性能で消費電力は約半分としている)や、沖情報システムズがPCI Express Gen2 ×8レーンを用いて同Gen1 × 8レーンとのDMAデータ転送能力測定、などが展示されている。
一方のSpartan-6では、TEDが2010年1月にリリースを予定しているディスプレイ・ソリューション評価プラットフォーム「TB-6S-LX150T-IMG」などのデモが展示されている。これは、ディスプレイのインタフェース開発用の評価プラットフォームで、シリアルトランシーバを活用してDisplayPortなどの評価ができるというもので、ユーザーがアルゴリズムを載せ、それをディスプレイで確認することが可能となる。
なお、このほか、ANSI-Cにストリームなどの関数をライブラリとして追加した「Impulse C」と同Cのコンパイラ「CoDeveloper」のデモも行われている。Impulse Cを活用することで1からCでFPGAの機能を開発することも可能なほか、VHDLやVelilog-HDLで作成されたものに追加機能としてCで開発した機能を加えることが可能となる。デモでは、ビデオフィルタリングとして、各ビデオフレームの縦じまをスキャン、カクレクマノミの部分だけスポットライトを当てるという検出アルゴリズムをC-to-FPGAコンパイラでハード化、Spartan-3Aに搭載して1チップで実行して見せていた。
290mWで駆動する11.3Gbpsトランシーバ
同じくFPGAベンダのAlteraは代理店であるアルティマと共同でブースを出展しており、「Embedded CPUゾーン」と「最新FPGAゾーン」、「FPGA設計ゾーン」の3つのゾーンに分けてFPGAの紹介を行っている。
Embedded CPUゾーンでは、FPGA(Cyclone III)上でOSなしの環境でTCP/IP通信が可能となるデモを行っている。CPUコアとしては同社のソフトプロセッサ「Nios II/f」(100MHz動作)を採用、ユビキタスの提供するTCP/IPプロトコルスタックを含んだネットワークソフトウェア「Ubiquitous Network Framework」を移植して、ベースボードに実装して通信を行っている。また、従来はFPGAとフラッシュメモリ、ROMもしくはDRAMという構成が必要だったが、今回はEverspin TechnologiesのMRAM(512KB)を用いるのみで動作することを実証している。
主に産業機器向けに訴求する方針で、ソリューションとして2010年春までには提供を開始したいとしている。
また、最新FPGAゾーンでは11.3Gbpsトランシーバを内蔵した「Stratix IV GT」が波形デモを行っている。昨年のET 2008では8.5Gbpsのデモを行っていたが、今回はより高速なトランシーバの波形でもジッタも少なくきれいな波形を形成している様子を見ることができる。
ちなみに同トランシーバ、高速ながら、低消費電力を実現しているとしており、1チャネルあたり3.125Gbpsで100mW、8.5Gbpsで165mWとするほか、肝心の11.3Gbpsでも290mWで動作可能としている。
同FPGAの適用分野として、100Gigabit Ethernet(GbE)といった光モジュールでの活用などが期待されているとしている。
そしてFPGA設計ゾーンではFPGAとMRAM、およびAmulet TechnologiesのIntelligent GUI Controllerを用いて、HTMLで作成した画面をそのままタッチパネル操作画面として動かすデモを行っている。タッチ検出などはAmuletのチップが行うため、FPGAやマイコンといった制御側に負担をかけずに済むことから低速な8ビットマイコンクラスのシステムでもタッチパネルを搭載することができるようになるという。