ストレージの仮想化については、典型的なスケールアウトの問題点の指摘が行われた。
典型的な仮想化環境では、サーバ側に空きがあるために別途システムを組み込みたいが、ストレージ側に余裕がないという事が多くある。スケールアップで対応できる範囲ではストレージ増設すれば良いが、対応しきれなくなった場合にはスケールアウトすることになる。パフォーマンスと容量のリソースが容易に最適化されず、ストレージがリソースごとに固定的になってしまう例だ。
この手法では操作が難しいために特別なトレーニングが必要となったり、追加コストが大きく発生する。これに対して大植氏は「コントローラを横に追加するという発想が重要だと考えている。また、ストレージを仮想的にサーバ側に見せるストレージ仮想化技術も必要。デルのEqualLogic PSシリーズはそれを実現する」と語った。
仮想化自体の導入は容易になってきているが、活用できている事例は少ない。部署・拠点内で管理され、統合効果・投資対効果が現れない例や、サーバ・ストレージ・ネットワーク管理者が異なっており協調できないという例も多い。すぐれた仮想化の適用にはすべてのIT関連のキーパーソンを巻き込むことがポイントになるという。デルではそのためのコンサルティングも提供している。
「すぐれた仮想化の適用が、将来訪れるであろうクラウド適用への第一歩となっていくという考え方もできる。仮想化導入にあたってユーザーは何も考える必要はない。管理者は、まずは自動化冗長化された信頼性の高いインフラを一元的に作ることを考えなければいけない。投資・時間・人を効率化させるためにシンプルで統一された管理・運用を実現しているというのが最終的なゴールになるだろう。デルはインフラだけでなく運用や知識を含めたサービスを提供する」と大植氏は語った。