デルは7月30日、都内のホテルにおいてプライベートイベント「DELL INNOVATION SHOWCASE 2009」を開催した。イベントの開始直後には、同社代表取締役社長 ジム・メリット氏が挨拶し、エンタープライズにおける一番の課題であるITの効率性をいかに上げていくかについて語った。
ジム・メリット氏は、デルの業績について、2009年度はワールドワイドで610億ドル(約5兆8000億円)の売上があり、営業利益は36億ドル(約3420億円)だったと、順調な業績をアピールした。
また、日本市場においては30億ドル(約2850億円)の売上があり、8割がエンタープライズ分野だという。
同氏は現在のIT環境について「今はオンライン時代の夜明けが近づいてきていると言える。インターネットやEメールに加えて、インスタントメッセージ、ファイル共有、ブログ、ソーシャルメディアが生まれている。その結果現在では、1秒間に2つのブログが作られ、4台の携帯電話が売られ、7台のPCが販売され、1200本の動画がYouTubeにアップされ、200万通のEメールが送信されている。これがオンライン時代の現状だ」と分析した。
そのため、データ量は爆発的に増えており、その結果IT資産増え、ITの効率性の問題や電力消費の問題が新たに生まれているという。
しかしほとんど企業は、すべての経費のうちITのイノベーションに使っている金額は1%未満というのが現状で、それはIT予算の8割が既存のIT資産の保守や管理に使われているためだという。同氏はその理由を、利用しているシステムが、独自仕様のレガシーなインフラで非効率だからだとした。
同氏が指摘するレガシーなシステムとは、メインフレームを指すと思われる。そのため同氏は、これらをWindowsやLinuxなど、オープンで標準なシステムに移行すべきだと指摘した。
ジム・メリット氏は、現在一般の企業では、IT予算の8割を既存のシステムの保守管理に使われており、これらのコストを削減し、もっとITのイノベーションに使うべきだと強調。
そのためには、SaaS、仮想化、IaaS、クラウドコンピューティングなどの新しいテクノロジを活用すべきであり、仮想化を利用すれば大きな効果あると語った。