「これが最後のJavaOneになるかもしれない」
これは今年の来場者全員が共通して持っていた思いではないだろうか。JavaOneの主催者であるSunは、4月にOracleによる買収に同意した。このことによって、少なくとも"Sunの主催によるJavaOne"は今年で最後となった。あとはOracleがこのイベントを、そしてJava開発者をどこまで重視するかにかかっている。
例年であれば、このJavaOne会期中に翌年の開催日程が発表され、モスコーニセンターの出口に向かう階段の上にも掲示される。しかし今年は2010年JavaOneについてはいっさい言及がなかった。初日のKeynote Sessionに登場したOracle CEOのLarry Ellison氏は「Javaのイベントも続けていきたい」と発言しているが、「JavaOne」という表現は使っていないことから、"JavaOneとして"の開催は最後ではないかという見方も強い。
それでも、JavaOneはこれからも続いてほしいと切に思う。なぜならば、この4日間(CommunityOneも含めると5日間)に受ける刺激というのは他に替えがたいものだからだ。本当にJavaが好きな人々が集まり、早朝から深夜までJava三昧。見渡せばそこにスペックリードをはじめとする主要な開発者がいて、気さくに質問に応じてくれる。パビリオンでは最新のJavaテクノロジーを直接触って試すことができる。こんな環境はほかにない。
最終日のGeneral Sessionの最後に、今回のJavaOneでホスト役を務めたChris Mellisinos氏は「See you next year at JavaOne!」と叫んだ。終了後、筆者は思わず同氏の元に駆け寄り、「本当に来年のJavaOneで会うことができるのか」と尋ねてしまった。Mellisinos氏の答えは「そう信じている。また来年会いましょう」ということだった。
現実的には、現段階ではまだOracleによるSunの買収が完了したわけではなく、来年のイベント開催に関して確約する権利は誰にもない。したがってMellisinos氏の発言も多分に期待を込めてのものだろう。しかしながら、会場にいた誰もが同じ思いだったのではないだろうか。JavaOneの価値は参加した開発者が一番よく知っている。来年もまた世界中のJava開発者と熱い時間が過ごせることを期待したい。
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