2つの量産拠点

GLOBALFOUNDRIESのシニアバイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーであるジェームズ・ドラン氏(以前はAMDのドレスデン工場担当バイス・プレジデントやAMDのスピンオフである米Spansionの最高執行責任者(COO)などを務めていた)

ここでシニアバイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーのジェームズ・ドラン氏が登壇し、「Grobal」では、米国4カ所、欧州1カ所と複数の地域に拠点を有すると述べた。

欧州の拠点は独ドレスデンにある製造工場(Fab1)で、従業員2,600名が働く主力工場である。300mm SOIウェハを処理するモジュール1(Module1)は、1カ月に2万5,000枚のウェハを処理する能力がある(従来はAMDのFab36と呼ばれていたラインである)。現在は65nmプロセスを用いて量産を行っており、2009年半ばには45nmプロセスの量産に入る。そして2009年後半には、300mmのバルクCMOSウェハを処理するモジュール2(Module2)の32nmライン(従来はFab38と呼ばれていたライン)を稼働させる計画である。モジュール2はフル操業時には、1カ月に2万5,000枚のウェハを処理する能力を備えるようになる。

独ドレスデン工場(Fab1)の概要

米国の拠点はニューヨーク州サラトガ郡、ニューヨーク州イーストフィッシュキル、テキサス州オースチン、カリフォルニア州サニーベールである。

サラトガの拠点はLuther Forest Technology Campusに新たに建設する製造拠点で、ドレスデンに匹敵する大規模な量産工場となる。2012年に操業を開始する計画で、フル操業時には300mmウェハを1カ月に3万5,000枚処理できるようになる。製造プロセスは当初は32nmプロセスで、22nmプロセスにも移行できるようにする計画である。設備投資額は総額で約45億ドルとなる予定。

米ニューヨーク州サラトガ郡に建設する量産工場(Fab2)の概要

オースチンの拠点は研究開発センターおよび製造ラインである。「APM(Automated Precision Manufacturing)」と呼ぶ生産管理システムを改良するといった生産自動化や歩留り向上技術など、製造ラインの研究開発を担う。また、イーストフィッシュキルの拠点はIBMとの提携に基づく共同研究開発施設である。SOI CMOSプロセスやバルクCMOSプロセス、高誘電率膜/金属ゲート技術などの研究開発を実施する。そしてサニーベールの拠点が本社所在地であり、販売部門やマーケティング部門、顧客サポート部門、製造ラインなどを有する。

続く「Innovation」では、プロセス開発の最新状況をジェームズ・ドラン氏が説明した。45nmプロセスの半導体チップを2008年後半から量産しており、歩留まりは高い領域に達しているとする。そして遅くとも2009年半ばにはドレスデンのFab1に45nmプロセスを移管する。32nmプロセスはイーストフィッシュキル、サニーベール、ドレスデンで技術開発を進めている。2010年前半には量産を始める計画である。

45nmプロセス開発および32nmプロセス開発の概況

32nmプロセス開発の最新状況

AMDと主な半導体ファウンドリのプロセス技術(技術ノード)別の量産開始時期。ファウンドリとしては技術ノードでトップを走ってきたとする

そして「Agility」に関しては生産管理システムのAPMと、APMによる効果として過去のプロセス技術(技術ノード)における高い歩留まり向上能力を誇示した。なおAPMに関しては大原氏のレポートを参照されたい。

AMD製造部門の過去のプロセス技術(技術ノード)における歩留り向上曲線