さらに同社では、基幹業務をオフコンから、SQL Server、.NET Framework、Visual BasicといったWindowsサーバをベースとする基盤へと移行する作業も行うことになる。「オフコンは維持にコストがかかる上に、システムの物理的限界もあって、弊社の業績向上に伴うデータ量の増加に追従できなくなっていました。そこで、柔軟性のあるWindowsサーバを活用したシステムへの移行を決意したのです」と長田氏。オフコンありきで行っていた基幹業務も、クライアントPCから誰もが操作することができるWindowsベースのシステムへ移行する。企業にとっては業務プロセスの変更を余儀なくされた決定だといえる。
「1年半ぐらいかけて移行していったのですが、在庫管理や売上管理といった基幹業務において、劇的な変化がでましたね」と杉山氏は語る。また、基幹業務を行うシステムには様々なものが考えられたが、結局はMicrosoft製品を導入することになる。これについては「やはり使い慣れているというのが一番の理由です。わざわざLinuxを一から覚え直すよりも合理的だと考えたからです。機能やコストといった事も大切かと思いますが、実際の運用はぼくらが行うことになるのです。安心して使えるシステムにするためにも、Microsoft製品を使い続けるのが最善だったのです」と杉山氏は語る。
製品の導入を担当したMicrosoftの福富隆浩氏も「システムを一新してしまうと、一時的にではありますが、生産性がある程度落ちるということは十分考えられます。それだけでなく、トレーニングにかかる費用やIT担当者さまの負担の増加などもあるでしょう。ユーザーさまから必要にかられてシステムのアップグレードを行うパターンでは、それがもっとも軽微になるはずです。IT導入におけるひとつの理想なのではないでしょうか」と語る。