--今回のLeon氏の来日はCodeGearのデベロッパキャンプ参加が目的だが、このカンファレンスに出席したユーザーからのDelphi for PHPへの反応は? また参加者らは既存のDelphiデベロッパのようなデスクトップ向けアプリケーション開発者が多かったと思われるが、こうした開発者層へのメッセージは?

Leon氏: OpenChartやOpenGridのデモストレーションを行うと、「こんなことができるのか!」といった反応が返ってきてよい感触を得たと感じている。つまるところ、この製品でのポイントは「どうやってWebアプリケーションをデスクトップアプリケーションのように見せるか」という点に尽きる。PHPでは上から下まで順番にコードを実行していくという、昔ながらのスタイルをとっているが、これを従来の(デスクトップアプリケーションの)開発スタイルそのままで、コード記述の重要な部分に注力できるようになる。

また来日中、日本のPHPコミュニティミーティングにも参加していた。従来の開発スタイルではアプリケーション作成のために非常に多くのコードを記述する必要があり、Delphi for PHPを製品改善のためのソリューションに活動できるという話になった。また、同コミュニティと連携してDelphi for PHPからopenpearのパッケージレポジトリに接続し、それらをDelphiのコンポーネントとして統合できる仕組みなども提供していく。

--Leon氏が拠点とするスペインや欧州では、こうしたオープンソースコミュニティとの連携はどうなのか?

Leon氏: 「自分は自分」という国民性のせいかもしれないが、PHPのコミュニティはスペインではそれほど強くない。欧州でいえば、PHP関連のコミュニティはドイツが強い。現地ではEKONという年次開発者ミーティングが開催されている。スペインでのオープンソースコミュニティといえば、ほとんどがLinuxだ。またIDEのマジョリティは.NETが中心で、Delphiの影響力は以前に比べて弱くなってしまっている。

--Windows開発者が多いという話だが、それならばそうした層に訴求するのも手か。PHP自体はWindows上でも動作するが…

Leon氏: MicrosoftはFast CGIという技術を使ってIIS上でPHPの実行パフォーマンスを向上させる仕組みを研究している。これでLinux + Apacheに近いパフォーマンスが得られるようになったものの、まだLinuxに分がある。またMicrosoftがASPというソリューションをすでに持っていて、なぜ競合技術であるPHPにフォーカスするのかという話もあるが、今後アプリケーションがWebへと移行していくなかで必要な要素のひとつだと考えている。