--実質的にPHPでコーディングし、同コードを生成する開発ツールとなるが、Object Pascalを主体としたDelphiの名前を冠することに混乱はないのか? また、Delphi for PHPはもともとQadram Softwareの開発した製品だが、この名前で出すことになった理由は?
Leon氏: 当初インターネット上で発表しようとしていたQadramの製品が、従来のDelphi for Windowsのそれに近いものだった。そこでのCodeGear(現Embarcadero)とのコラボレーションの結果、開発はQadram、ローカライズや製品サポートはEmbarcaderoといった現在の体制が出来上がった。Embarcaderoにとってのメリットは、Delphiシリーズに準じた製品ラインナップの拡充が挙げられる。またDelphiという名前を冠することで、製品コンセプトを伝えやすいというメリットもある。
私のような長きにわたってDelphiデベロッパだった人間にとって、"Delphi" というのは言語ではなく、ドラッグ&ドロップによる開発など、あくまでアプリケーションを書くためのスタイルを意味するものでしかない。Delphi for PHPはObject Pascalの代わりに、Webアプリケーション開発に必要な機能をつけたものだ。むしろ「DelphiをPascalという言語」と認識しているような人は、Delphi 5やDelphi 6といった比較的新しいユーザー層なのではないかと思っている。
--Delphi for PHPの今後のバージョンアップや拡張の方向性は?
いま想定しているゴールは、ツールの生産性向上とソーシャル機能の追加だ。ソーシャル機能では関連コンポーネントの追加や、そうした処理が可能なレンダーをサポートしていく。またAdobe Flexを利用できるような拡張も考えている。
Flash技術をRIAフロントエンドとして活用していく予定なのか?
Leon氏: あくまで選択肢のひとつという位置付けだ。IDEはインタフェース作成にあたってどんなツールでもサポートできるのがメリットとなる。現在はHTMLとJavaScriptをサポートするが、今後これにFlexが追加されることになる。