IEDM2日目(12月16日)午後:炭素ベースの不揮発性メモリ

昼食を挟んで2日目午後のセッションが始まる。セッション17~セッション23である。セッション17は招待講演だけのスペシャルセッション。セッション18~セッション23が一般講演になる(一部招待講演を含む)。セッション18「キャラクタライぜーション、信頼性、歩留り」は「歪みシリコンの最適化と性能(Strain Optimization and Performance)」、セッション19「量子デバイス、パワーデバイス、化合物半導体デバイス」は「高周波パワーデバイスと光電子デバイス(RF Power and Optoelectronic Devices)」、セッション20「ディスプレイ、センサ、MEMS」は「バイオセンサと3次元異種集積(Biosensors and 3D Hetero Integration)」、セッション21「固体およびナノ電子デバイス」は「炭素ベースデバイス(Carbon Based Devices)」、セッション22「モデル化とシミュレーション」は「原子レベルのプロセスシミュレーションとメモリのモデル化(Atomistic Process Simulation and Memory Modeling)」、セッション23「CMOSデバイスとCMOS技術」は「先端デバイスの移動度としきい電圧の特性(Characteristics of Mobility and Threshold Voltage in Advanced Devices)」をそれぞれサブテーマとする。

最初はセッション19に注目しよう。IntelとNumonyxの共同チームが、シリコンによる高速光変調器について招待講演する(講演番号19.4)。200Gビット/秒の高速光変調の実験結果を示すと期待される。

続いてセッション21が興味を引く。IBMとPurdue Universityの共同チームが、有機化合物のグラフェンを使ったFETの基本特性を室温で測定した結果を発表する(講演番号21.1)。Qimondaは、炭素ベースの抵抗変化型不揮発性メモリを考案した(講演番号21.4)。カーボン(炭素)ナノチューブと導電性カーボン、絶縁性カーボンを組み合わせる。高速スイッチングとマルチレベル記憶の可能性を探った結果が示されるもよう。

2日目の夜は、午後8時から2件のイブニングセッション(セッション24とセッション25)が並行して開催される。セッション24はイブニングスペシャルセッションと題して、2008年の2月に開催された半導体回路の国際会議「ISSCC2008」で発表され、特に高い評価を受けた講演論文が披露される。

セッション25はパネルディスカッションである。テーマは「半導体工場の将来(The Future of Fabs)」。半導体工場の歴史はウェハの大口径化の歴史でもある。現在量産中の工場では最大で直径300mmのウェハを扱っている。パネルディスカッションでは、次世代ウェハとされる直径450mmのウェハを扱う工場の長短や、現在の300mmウェハ工場の将来の姿などが議論される。