--インターネットサービスでは、スピード、コミュニティが重要になります。すでにベータカルチャーのノウハウを構築している米GoogleやMozillaなどのインターネットサービス事業者と、どのように競合していますか?

Nokiaの強みは、世界中の巨大なNokiaユーザーベースです。Nokiaの研究開発チームは革新的な研究者が集まっていますが、Beta Labsでユーザーと直接やりとりできるようになり、モチベーションが高まっています。これは、イノベーションを加速すると思います。

これまで、Nokiaの携帯電話にのせてしまった後に失敗すると損失は大きかったのですが、Beta Labsでは失敗してもコストの損失がないので、革新的なサービスが生まれやすいと思います。Nokiaの研究者にとっては、Beta Labsにより、さまざまなことに自由に挑戦してみる場所ができたといえます。

--Beta Labsを率いる立場として、どのようなアプリケーションに注目していますか?

私を驚かせるようなアイディア、アプリケーションをNokiaの研究開発チームが構築することに期待しています(笑)。

地図、音楽、電子メールなどは、いわば当たり前で、ここでは最善のアプリケーションを提供したいと思っています。ですが、イノベーションは外から起こります。これに期待しています。革新的なサービスとは、誰も考え付かないようなものだと思います。

--今後の方向性は?

まずは、アプリケーションの数を増やしていきます。

それから、Webサイトのリニューアルです。現在新しいWebサイトを開発中で、レーティング、レビュー、バグレポートなどのパブリックなダイアログ機能を付加します。

パブリックなディスカッションは、ユーザーのモチベーションを高めます。プライベートなやりとりでは、誰も自分の文章を読んでいないと思うためか、モチベーションが低くなるようです。コミュニティ主導のWebサイトでは、フィードバックの多くがパブリックでやり取りされています。

登録機能も検討しています。誰が貢献しているのかがわかるようにしていき、場合によっては何らかの報酬制度も考えられます。