Tommi Vilkamo氏

Nokiaがインターネットサービス分野を強化するにあたり、新しく始めたサービスの1つがNokia Beta LabsというWebサイトだ。アーリーアダプタ層にいち早く開発中のアプリケーションを公開し、フィードバックを募るというコミュニティ戦略。Nokiaにとっては、これまでにはない試みとなる。

1年前にNokia Beta Labsの立ち上げを任されたTommi Vilkamo氏は、「予想外の反応に驚いている」と笑顔だ。Nokia Beta Labsのマネージャとして取り組みを率いるVilkamo氏に話を聞いた。

--Nokia Beta Labsとは、どのような取り組みですか?

Nokiaがインターネットサービス事業に参入するにあたって、2007年4月にはじめた新しい試みです。

ここでは、Nokiaが商用サービスとして提供する前の最新のアプリケーションを紹介しています。約10万人の熱心なNokiaユーザーがサイトを訪問してアプリケーションを自由に試しており、Nokiaの開発チームに直接フィードバックを送ることができます。仲介者はなく、ユーザーと開発側が直接やりとりできます。

どうしてこのようなサイトを立ち上げたのかというと、インターネットサービス事業はベータカルチャーで、やってみることが大切です。そのための環境を作ろうと、専用のWebサイトを立ち上げることにしました。ユーザーに自由に気軽に試してもらい、フィードバックを得るというのが目的です

ためしにいくつかのアプリケーションを公開し、電子メールでのフィードバックに応じるというシンプルな機能ではじめてみたところ、実にうまくいきました。ユーザーに好評、Nokiaスタッフにも好評だったので、その5カ月後(2007年年9月)、きちんとしたサイトにしていくようチームを組みました。

それから1年が経過した現在、公開したアプリケーションの累計数は約30となりました。月間ページビューは約100万、毎月20万回のダウンロードがあります。予想を上回る数値です。

この試みが機能するということがわかったので、今後はアプリケーションの数や機能の点からサービスを拡充していきます、ですが、多くの人にアクセスしてもらうことが目的ではありません。熱心なNokiaユーザーから、ダイレクトなフィードバックをもらうことが目的です。

具体的には、Webサイトを新しくし、オープン性を次のレベルにしていきます。Nokiaの開発チームに電子メールを送るというクローズドなフィードバックだけでなく、パブリックなディスカッション機能も提供していきます。