「フォトシェアリング」はLive Wave 3やWindows 7へのシナリオ
CEATEC JAPAN 2008では、Windows新ブランドのソフトウェア+サービスのシナリオのひとつとして、「フォトシェアリング」を披露していた。モバイル端末で撮影した写真を、オンラインストレージ「Windows Live SkyDrive」にアップロードして、Webで公開したり、皆で見たりしましょうという一連のストーリーは、それこそシンプルで、それだけ聞くと「ふ~ん。今までだってできていたじゃん」と思ってしまう。
ポイントは、5GBの無料ストレージだったり、Vistaのガジェットを使って、PCのローカルフォルダからドラッグ&ドロップだけでアップロードできたり、さらにそれが自動で、ソニーのデジタルフォトフレームに表示されたりといった"流れ方"だ。この流れを、よりスムーズでフレンドリーにするためのものが、「マイクロソフトだからできること」のようだ。
笹本氏は、これを「Wave 3に繋がっていくものだったから、やりたかった!」という。「Windows Live Wave 3 」は、Windows Liveのソフトウェアとサービスの次期バージョンで、「Windows 7」とどのように連携するかが注目されている。
笹本氏 「先々のためのワンステップでしかなく、今はまだアンフレンドリーな状態だが、Wave 3で良くなっていく。それがさらにWindows 7へと、そしてさらに次へと進化していきます。この1年間は過去からみても転換期と見ています。そこを超えた新しさを感じていただけるように、プロダクトをリリースしていきたい。Live MeshやCloud的な概念を理解していただくことも含めて、コンテンツとしてもホップ・ステップ・ジャンプなロードマップを描いていく必要があります。
PCの魅力を高めていくものを、モバイルを入り口にしてできるとも思っています。ひとつのプロダクトを出せばいいというのでは、やはり"ムーブメント"は起きないですよね。全部一気には難しいので、Windows系で上と下を押さえて、ブラウズベースのサービスでユーザーとエンゲージできていければ望ましい。『ライブメッセンジャーがいいね』となればクライアントを出せばいい。ここは市場のニーズに合わせていくしかないと考えています」
「壁のない世界へ」の"壁"は、今回のインタビューでお話いただいたこと以外にも、まだまだあるのかもしれない。また、その"壁"自体にも、いろいろなメッセージが隠されているのかもしれない。マイクロソフトが現在見せている「壁のない世界へ」の一部のシナリオは、まだ入り口に過ぎない。まだまだこんなものじゃないということがわかっただけでも、モヤモヤの一部は晴れてきた。バルマー氏や笹本氏の言葉に期待を寄せて待つことにしよう。
「Windows Strata」って何だろうな……
そこで噂の「Windows Cloud(仮称)」だが、PDC 2008の案内サイトに書かれていた 「Windows Strata」が、それの正式名称っぽくて怪しい……。いろいろ噂のある中の「Windows Skylight」っていうのが個人的には好きだ(何が出てくるかはおとなしくお楽しみにしていればいいのだが、こういうことを想像しながら新しい技術の発表を待っているのは、それはそれで何となく楽しい)。