PCは旧世代になっている ~ 直感的よりは触感的に

笹本氏 「例えば、裏ではものすごく制御されているにも関わらず、洗濯機にはボタンが5つくらいしかない。PCは、キーボードをタッチするところが多すぎて、そこはすごく旧世代なままで進化していない。そういう意味では過渡期なのかなと思っています。ユーザーが直感的にという意味では遅れてきてしまったが、Windows Mobileもマルチタッチの方向性で動いていますし、『Surface』のようなインタフェースはとてもいいと思う」

笹本氏は、進化に伴って、技術の提供もマーケティングについても、段階を踏んでいかなければいけないと考える。例えば、Windows Vistaは"直感的なよさ"を、ユーザーにちゃんと伝えきれてはいないと感じているそうだ。

笹本氏 「XPからVistaへの移行は、アーキテクチャが一足飛びにいってしまった部分を、ちゃんとマーケティングをして伝え切れていなかったんだと思います。情報開示のこともあるし、他にも問題があったでしょう。しかし、Vista の(アーキテクチャの)方向性については、間違っていないという信念を持っていますし、今度は、ここからWindows 7に繋がっていきます。

マルチタッチの例として、CEATEC JAPAN 2008では「Surface」が実演された

どんどん進化していくので、最終形というのは、デジタルデバイスが、直感的というよりも『触感的なマルチタッチ』に行くと思っています。少なくとも、私には見えている先はそこです。ここも段階を踏んでいかなければ、触れる人とデバイスのニーズが繋がっていかないままでは『接触して何?』となってしまいます。究極はいいけれどユーザーを迷わしてはいけない。"すごいな"の感動の後に、利便性や生活を豊かにするものがないと続かない。そこには"便利"や"楽しさ"をデバイスに繋げていくシナリオが必要です」