セキュリティ/管理機能の向上
企業での利用を前提にしたWitchyMailでリリース当初から重視されてきたもうひとつの大きなテーマが「セキュリティ/管理機能の向上」だ。
元々Webメールは、ユーザーの端末にメールが残らない分、情報漏えいのリスクを低減させることができる。その強みを最大限に生かすべく、WitchyMailでは、メールのシンクライアント化という考えの下に管理機能を充実させ、セキュアなソリューションとして販売を推進してきた。Web 2.0という時代の流れにも乗り、現在では20万アカウントを発行するまでに普及している。
以下、V4.0で追加されたものを中心に、同製品の管理機能を紹介していこう。
誤送信防止機能
V4.0で追加された誤送信防止機能は、佐藤氏が最も推す新機能だ。
これは、管理者が設定したポリシーに反するメールに対して、アラートを表示し、送信を中断させる機能である。ポリシーは、「宛先ドメイン」「件名/本文中に含まれるキーワード」「添付ファイルの拡張子」「宛先数」など、さまざまな項目に対して詳細に指定でき、管理機能上のグループごとに個別に設定することが可能だ。例えば、「派遣社員グループに属するユーザーには、アドレス帳に登録されている宛先以外に送信させない」といったかたちで、ユーザーに応じてセキュリティレベルを変えることができる。
こうした管理機能について佐藤氏は「ユーザーにわかりやすく、かつ管理も容易なかたちで実現できるのは、Webメールならでは」と説明する。メールサーバからメールクライアントに配信する通常のメールシステムでこうした誤送信防止機能を実現するには、各端末にポリシーを配信して端末上でチェックするか、違反メールが送信された際にサーバからクライアントに警告メールを送るかのどちらかの方法をとることになるが、前者では管理が難しくなり、後者では送信されなかったことにユーザーが気づかないという恐れが生じる。
WitchyMailの誤送信防止機能は、こうした問題を解消し、ユーザーが不利益を被らないかたちでセキュリティ面を向上させることができる最適なソリューションと言える。
迷惑メールフィルタ、イメージブロック
誤送信防止機能は送信側の新機能だが、受信側でもセキュリティ強化を実現する機能が追加されている。それが、迷惑メールフィルタとイメージブロック機能だ。
迷惑メールフィルタは、スパムメールやウィルスなどの迷惑メールを自動的に隔離する機能である。スパム判定エンジンと連携することで、有害メールをサーバ側で排除することが可能になった。
また、通常のWebメールでは、添付された画像が自動的に本文中に表示されてしまうが、新版ではイメージブロック機能を搭載し、これを管理者側でブロックすることが可能になった。メールが軽量になるうえ、いつどこでそのメールを読んだかといった行動履歴を盗まれるスパムビーコンから身を守ることができる。
これらに加えてV4.0では、休止中のアカウントをロックする(ログインを禁止する)機能や、送信画面をプレビューする機能なども追加されている。
追加導入するだけで簡単にWebメール化
新機能ではないが、導入のしやすさもWitchyMailの大きな特徴である。
WitchyMailは、通常のメールシステムに対して追加導入するだけで、Webメールの環境を構築することができる。既存のメールシステムをそのままに、外部からのアクセス用にWebメールを導入したいというケースにも対応することが可能で、この場合は、POPサーバ/SMTPサーバの設定を変更する必要もないという。
木村氏は、このような特徴を持つWitchyMailについて「導入負荷が少ないかたちで、管理業務の効率化を実現しつつ、ユーザーの利便性も向上させることができる製品」と説明する。
「セキュリティ面を強化しながら、TCO削減にも大きく貢献する。初期コストもわずかなので、メール環境でお悩みの運用担当者、経営者はぜひ検討してほしい」(木村氏)