ユーザーの使いやすさを追求
V4.0の大きなテーマの1つになっているのが「利便性の向上」である。作業の効率化に役立つ機能に加えて、利用者層や利用シーンを広げる機能も多数取り込まれている。以下、順に見ていこう。
英語UI、中国語対応
NECソフト ITシステム事業部 販売支援&サポートサービスG 佐藤真理子氏 |
V4.0では多言語対応が進められている。メニューなどのユーザーインタフェースを英語表示に切り替えることができるようになったほか、簡体字中国語のメールも扱えるようになった。
これらの機能は、「留学生を受け入れている企業/団体や、中国法人を持つ日系企業、オフショア開発を行う現場などでニーズが高かったもの」(佐藤氏)だという。利用者層の拡大に直接影響する追加機能として、今回のバージョンアップでも重要な位置づけにあるようだ。
非Ajaxモードの搭載
新版では、低速回線での利用や視覚障害者に配慮した機能も追加されている。
前述のとおり、WitchyMailでは、V3.0よりAjax対応を進め、利便性向上を図っている。そこで利用しているAjaxフレームワークは「汎用的に用いられているものを改良しており、軽量に仕上がっている」(佐藤氏)ものの、ユーザーがメールを閲覧するには、やはりある程度高速なネットワーク環境が求められる。出張先で電話回線などを使ってアクセスするのは不向きだと言えた。加えて、Ajaxを使用した部分は「音声ブラウザが反応せず、視覚障害を持つユーザーなどが利用できない」(木村氏)という問題もあった。
こうした問題を解消すべく、新版ではAjaxを使用しないHTML表示機能を搭載。音声ブラウザや低速回線でも支障なくメールを閲覧できるようになり、利用者層、利用シーンの拡大を実現している。加えて、メールの分割送受信にも対応しているため、回線が細い場所での大容量メールのやり取りも可能だ。
自動振分、D&D添付、自動下書き保存、検索強化
そのほかにも、V4.0ではユーザーの業務効率化を後押しする機能が多数追加されている。
それらのうち、最初に挙げられるのがメールの自動振り分け機能だ。これはその名のとおり、予め定めたルールに従ってメールが自動的に振り分けられる機能である。タイトル、差出人、宛先などの項目を基に分類を行い、フォルダの移動、コピー、削除、マーカーをつけるなどのアクションを設定することができる。自動振り分け自体は旧版でもサポートしている機能だが、処理方法をクライアントサイドからサーバサイドに変えることによって、携帯、HTMLのみ利用しているユーザーでも振り分け機能を活用できるようになった。データの送受信が容易ではない携帯電話からのアクセスや、HTML版の利用では特に重宝するはずだ。
また、Ajax機能を強化し、ドラッグ&ドロップによるファイル添付も可能にした。これは、通常のWebメールでは対応していない機能で、Webメールの操作性に対する評価を下げる要因にもなっている部分でもある。これを解消すべく、「新版の開発にあたり、販売サイドから強く要望を出していた」(木村氏)という。木村氏は、「一時は実装が間に合わないと言われたが、なんとか取り込んでもらえた。個人的に最も気に入っている強化ポイント」とこたえ、同機能に対する自信を覗かせた。
そのほか、一定時間ごとに自動的に下書き保存される機能や、メール本文を含む全文検索機能などが追加されたほか、アドレス帳の入力項目も刷新され、住所や会社名などで宛先を検索できるようにもなっている。