--日本における展開はいつから開始したのですか。

日本法人を設立したのは、2005年11月です。現在、約80人の体制としています。そのうち半分が日本人のスタッフで、また、半分がテクニカルサービスを担当しています。日本における実績としては、イー・モバイル向けに基地局装置を提供しており、国内で約3,000カ所に導入しています。また、USB型の高速データ通信端末の供給しており、この分野ではナンバーワンのシェアとなっています。

このほど、イー・モバイル向けに携帯電話端末「H11HW」の供給を開始しました。この製品は、シンプルな使い勝手を追求するとともに、高速データ通信サービスに対応するといった当社の特徴が発揮できる機能を搭載しています。端末には、「HUAWEI(ファーウェイ)」のロゴが付いているわけではありませんから、日本におけるプランド認知に対してインパクトがあるわけではありませんが、それでも、日本の多くの人にファーウェイ製品の良さを体験していただくという意味では、いいチャンスだといえます。

イー・モバイル向けの携帯電話端末「H11HW」

これまでは、イー・モバイルとの協業を中心に、日本における事業基盤を確立してきた時期といえます。今後は、さらにイー・モバイルとの協業体制を強化しながら、他のオペレータとの協業も模索していきたいと考えています。

--リダ社長自身、技術畑の出身ですね。イー・モバイルの千本CEOも技術畑の出身です。それは、イー・モバイルとのパートナーシップにはプラスに働いていますか(笑)。

少しはあるかもしれませんね(笑)。最大の要素は、両社の戦略が一致したという点です。中国には、技術系のリーダーが多いという傾向があります。たとえば、胡錦濤国家主席は、清華大学の水利エンジニア学部を卒業しており、もともとは技術者です。私も、同じ大学の同じ学科を卒業しています。中国の企業の経営者の多くが技術者出身であり、今後は、経済や法律といった学科を卒業した経営者も出てくるでしょうが、まだその数は少ないですね。

--日本における重点領域はどこになりますか。

無線通信、光通信、IPネットワーク装置、モバイルデータカードという4つの領域がポイントとなります。これまでは無線通信、モバイルデータカードの領域にフォーカスした事業展開を行ってきましたが、光通信、IPネットワーク装置の分野は、日本における新たな領域といっていいでしょう。すぐに成果が出るとは思っていませんが、じっくりと焦らずにやっていくつもりです。