ファーウェイ・ジャパン(華為技術日本)が、日本における事業拡大の基盤を固めつつある。同社は、1988年に設立した中国・深センに本拠を置く通信ソリューションプロバイター。世界トップ50の通信事業者のうち、70%が同社製品を採用。日本ではイー・モバイルが基地局に同社製品を採用するとともに、USB型データ通信端末を調達。このほど、イー・モバイル向けに携帯電話端末「H11HW」の供給を開始し、日本における携帯電話端末事業にも本格的に乗り出した。イー・モバイルの千本倖生CEOが、「将来、世界でナンバーワンのネットワークインフラベンダになる日が来る」と断言するファーウェイとはどんな会社なのか。そして、日本における今後の展開をどうなるのか。ファーウェイ・ジャパンのエン・リダ(閻 力大)代表取締役に話を聞いた。

ファーウェイ・ジャパン 代表取締役 エン・リダ氏(日本オフィスの前で)

--まず、ファーウェイの概要について教えてください。

ファーウェイは、1988年に設立した通信ソリューションプロバイダです。設立当初は、自ら開発部門は持たず、他社の通信関連製品を調達し、代理店として中国国内向けに販売をしていましたが、その後、独自にネットワーク関連製品の開発に乗り出しました。2007年度の売上高は160億米ドル。そのうち、72%が中国国外からの売り上げとなっています。また、従業員数は7万人で、そのうち48%がR&D部門に所属し、毎年、売上高の10%をR&Dに投資しています。研究開発拠点は、上海、北京のほか、バンガロール(インド)、ダラス(米国)、ボン(ドイツ)、ストックフォルム(スウェーデン)、モスクワ(ロシア)にあります。

また、次世代ネットワークソリューション製品を、全世界トップ50の事業者のうち、35社に提供しているのも当社の大きな実績といえます。HSPAをはじめとするワイヤレス製品、NGNなどのコアネットワーク製品、光通信などのネットワーク製品、モバイルデータサービスなどのアプリケーションソフト製品、そして携帯電話端末を、全世界に向けて展開しています。2007年度は4,000万台の携帯電話端末を全世界に出荷しており、2008年度には全世界7,000万台以上の出荷を目指しています。