「3つのC」とソーシャル、それに続いて5つ目の要素としてこの日挙げられたのが「開発」だ。GoogleではデベロッパをサポートするためのさまざまなAPIやツールを提供しているが、「ひとことで"Webデベロッパ"と言っても単純に一括りにはできない」と及川氏は指摘する。Webデベロッパの中には純粋なプログラマばかりではなく、デザイナー寄りに人もいれば一般ユーザに近い立場の人もいる。
そのため同社は、Webデザイナーや一般ユーザにも簡単にGoogleのサービスを取り込んでもらえるようAPIの拡張を図っているという。その一例がGoogle Maps APIをActionScriptから利用できるようにした「Google Maps API for Flash」や、Google EarthをWebブラウザから利用できるようにした「Google Earth API」である。
また各APIのRESTful対応も進めており、これによって従来よりもシンプルな呼び出しによって各種サービスを利用できるようになるとのこと。現在RESTful対応が進められているAPIとしてはChart APIやStaic Maps API、AJAX API(RESTful)などがある。
このようにさまざまなAPIを幅広いデベロッパに提供することで、当初は考えもしなかったような興味深い応用例が生まれることもある。基調講演で紹介されたGoogle Maps API for Flashのデモはそのひとつだという。残念ながらうまく動かなかったのだが、下図は加速度センサーを組み込んだデバイス(スクリーン右下)をUSBでPCに接続し、それを傾けると連動してWebブラウザ上に表示されたマップが傾くというもの。Google MapsのAPIでは外部機器からのデータを受け取ることはできないが、ActionScriptにはローカルの情報にアクセスする機能があるため、それを利用することで間接的にセンサーの情報を取得しているとのことだ。これはGoogle Maps API for Flashの発表後に一般のデベロッパが考案したものだそうで、オープン化によるイノベーションの好例と言ってもいい。