米DellのMichael Dell CEOは、5月12日、東京・神保町の一橋大学大学院国際企業戦略学科において、大学院生約100人とのトークセッションを行った。
Dell氏は、昨年2月にCEOに復帰したことに触れ、「復帰した時点でのDellの出荷台数は前年比11%減となっており、業界平均を大きく下回った。創業から8年間の年平均成長率は80%増を維持し、その後の6年間の年平均成長率は60%を維持。さらに、その後も業界平均を上回る成長を遂げてきた。最近10年間でも売上高は10倍以上となっている。
だが、ここにきて、市場が変化してきている。新興国が大きく成長し、コンシューマ需要が大きく伸張した。企業においてもPCの使い方が大きく変化し、何10億人という人がネットに接続して、オンライン上でデータのやりとりをしている。これまでのDellの経営手法ではうまくいかなくなり、変革を余儀なくされたといえる。つまり、Dellが、リセットボタンを押してリブートする必要があった。そこで、これまでの経験でうまくいったところ、うまくいかなかったところを検証し、新たなイニシアティブと、新たな組織に変え、もう一度組み立て直すといった作業を迅速に行うことが求められた。
私がCEOに復帰してから、5四半期を経過し、最新四半期の業績は21.6%増という高い成長率を達成し、業界全体よりも遙かに高い成長を達成した。北米市場だけを見ても、市場全体は3.5%の成長率に留まっているに対して、Dellは15.6%の成長率となり、最も高い伸びを見せた。さらに、アジアパシフィックでの成長が、Dellの中で最も高く、市場全体は18.5%増であったのに対して、Dellはなんと51%も伸張した」とし、CEOに復帰してから、成長局面に転じたことを改めて強調した。