Green氏は、コンシューマによるイノベーションを加速させるためにRIA(Rich Internet Application)も大きな役割を果たすと語っている。彼らの積極的な参加を促すためには使いやすいデザインを提供することが不可欠だからだ。これに対してSunは、昨年のJavaOneでJavaベースのRIAプラットフォーム「JavaFX」を発表しており、今年のJavaOneでもその最新の動向が明かされるのではないかと期待されていた。そしてGreen氏はその期待を裏切らなかった。
まず紹介されたのがFacebook上で動作するTwitterおよびFlickrの統合ブラウザである。これは両サービスのエントリをFacebookのページ上でインタラクティブに表示するというJavaFXアプリケーションだが、Webブラウザ上からデスクトップにドラッグ&ドロップすることで、すぐにデスクトップアプリケーションとして動作させることが可能となる。さらに同アプリケーションは、同じコードベースでJavaFX Mobileを搭載した携帯電話上でも動作させることができる。
2つ目は2Dテクノロジにフォーカスしたデモで、Flickrから指定したキーワードをタグに持つ写真を検索し、これを木の葉のように画面上に舞わせるというもの。同じく2Dテクノロジのデモとして、高品質のビデオ再生アプリケーションも紹介された。JavaFXでは3Dテクノロジもサポートされており、その実装例としてビデオを再生した小さいウィンドウを球形に飛び回らせるというデモが紹介された。
最後にGreen氏はJavaFXの今後のロードマップを発表した。まず、今年7月にJavaFX Desktop SDKのEarly Accessが公開され、秋にはJavaFX Desktop 1.0がリリースされる予定とのこと。さらに2009年春頃に、JavaFX MobileおよびJavaFX TVの最初のバージョンがそれぞれリリースされる予定となっている。
Green氏はこう語る。「将来的には、85%の携帯電話、91%のPC、そして100%のBru-rayプレイヤーがJavaFXの実行をサポートするだろう」。その可能性を垣間見せてくれたデモであった。